板鼻逃げ切り、開幕戦以来の優勝
NTC CUP SERIES第5戦
女性として初めてSクラスを勝った牛井渕(中)。2位の大川(左)、3位の古関(右)
女性として初めてSクラスを勝った牛井渕(中)。2位の大川(左)、3位の古関(右)
 関東屈指のレーシングカート場として知られている新東京サーキット。その数多くあるシリーズの中でも最高峰との呼び声が高いのがNTC CUPだ。シリーズの行方を占う大事な第5戦(11日)の6クラスに117人が参戦し、各クラス激戦を繰り広げた。なかでも快挙が達成されたのはSクラスで、ラストの混戦を抜け出したのは紅一点の牛井渕琴夏(ごいぶち・ことか、14)。同クラス初の女性ウイナーになった。(敬称略)

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 タイムアタックは、地元で活躍する大谷優太(15)がトップ通過。コンマ1秒で食らいついたのが、今年の全日本選手権のジュニアカテゴリーで日本一に輝いた佐藤蓮(11)。そしてポイントリーダーの大川太郎(12)が3番手。佐藤と同じく、今年の全日本選手権で活躍した角田裕毅(12)は4番手に。19人中の紅一点、牛井渕は5番手と好調だ。

 予選(10周)は、ポールの大谷がスタートのホールショットを決めるも佐藤がインをこじ開けてトップを奪取。そのスキを狙った角田、大川、牛井渕が前に出るも、大谷はポジションを譲らず。そのうちに佐藤が逃げ切ろうとしたがペースが上がらず、大谷がトップを奪還。終盤には大川、牛井渕も加わりトップを奪い合ったが、わずかなスキを突いて前に出た佐藤が逃げ切った。予選から見どころ満載だ。

 決勝(15周)は佐藤がホールショットを決めるが、予選同様、スタート直後から大谷のすさまじいパッシングが佐藤に向けられる。「ライバルは佐藤」と完全にターゲットを絞っている。だが、そこに割って入ったのは大川。2人のバトルを後ろから冷静に観察し、スキが生じた場面で大谷をかわし、さらには佐藤までもパスしてトップに浮上した。

 レース中盤、大川、佐藤の2台が先頭を形成して後続を離し始める。誰しもこの2台が逃げ切ると思われたラスト3周、大谷がキバをむく。執念の追い上げを見せて佐藤のリアに食らいついた。最終ラップ、大川、佐藤、大谷と並び、3コーナーで佐藤と大谷が大川をパス。佐藤は大谷を意識してインを固め死守。大川は勝負を仕掛けるため、6コーナーでアウトにラインを取った。

 だが、後ろを意識していなかった大川は、4番手の牛井渕に空いたインを差されてしまう。最後のモナコヘアピン、守る佐藤に攻める大谷はインを強引にこじ開けたものの、止まりきれなかった大谷は佐藤と接触して痛恨の失速。ここで、冷静にレースを見つめ続けていた牛井渕と大川がガラ空きになったレコードラインを抜け、チェッカー。クラス史上初となる女性カーターが快挙を果たした。

 2位は大川で、3位にはシリーズ上位ランカーの古関風眞(こせき・ふうま、12)が入賞した。

 [NTC CUP第5戦](1周936m/路面:ドライ)
 ▽Sクラス(15周)
 順  ドライバー(チーム)      予  T
 1 牛井渕琴夏(チームレオン)    3  5
 2 大川太郎(K.SPEEDWIN) 4  3
 3 古関風眞(ガレージ・スマイル)  6  9
 4 大谷優太(チームオーガスト)   2  1
 5 佐藤蓮(フラックスMS)     1  2
 6 角田裕毅(T・KBF)      7  4
 7 西尾大樹(スクーデリアエッジ)  9 12
 8 荒川麟(レーヴRT)       5  6
 9 高橋圭太(北総ジュニアKC)  14 10
10 一原佑(フラックスMS)    12 15
 ※予=予選、T=タイムトライアル順位。参加:19台
SSクラスで開幕戦以来の優勝を果たした板鼻(中)、2位の渡辺(左)、3位の大高
SSクラスで開幕戦以来の優勝を果たした板鼻(中)、2位の渡辺(左)、3位の大高
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 この日最多の26台がエントリーしたのが「SSクラス」。12歳から40歳以上と幅広い年齢の選手がバトルを展開した。タイムアタックは村松日向子(14)がトップタイム。以下、SUGOで開催されたSL全国大会の同クラスで3位に輝いた山下優(17)、第4戦で優勝した高橋拓真(18)、地元で活躍する大高陽彦(あきひこ、22)と評判通りの選手たちが上位に名を連ねた。

 決勝(15周)がスタート。しかし、ポールの村松が2周目に痛恨のスピン。3番手スタートの板鼻拓実(17)は何とか避けたが、山下が絡んでしまい両者が6コーナーに沈んだ。さらに大きなクラッシュがあったが、トップ集団はうまく抜け出し、首位は板鼻。2番手グループの高橋、大高、6位に上がった渡辺翔(17)は中盤で板鼻に追いつくが、高橋が焦ったのか6コーナーでインを突くもスピン。その瞬間、渡辺が大高をパス。各車に一定間隔が生まれてしまった。結局これが決め手になり、板鼻が逃げ切り勝ち。開幕戦以来のうれしい2勝目を挙げた。

 ▽SSクラス(15周)
 順 ドライバー 予  T
 1 板鼻拓実  3  6
 2 渡辺翔   6 12
 3 大高陽彦  5  4
 4 岩田晃知  7 11
 5 斎藤愛未  9 19
 7 山下優   2  2
 8 村松日向子 1  1
23 高橋拓真  4  3
 ※参加:26台
ジュニアカデット表彰式。(上段左から)2位の野辺旭樹(のべ・てるき、12)、優勝した中川、3位の滝田真之佑(しんのすけ、9)
ジュニアカデット表彰式。(上段左から)2位の野辺旭樹(のべ・てるき、12)、優勝した中川、3位の滝田真之佑(しんのすけ、9)
 ○…ジュニアカデット(26台)は中川智貴(11)が絶好調。タイムアタック、予選とトップで、決勝でも後続を大きく離して優勝した。

 ▽ジュニアカデット(15周)
 順 ドライバー 予  T
 1 中川智貴  1  1
 2 野辺旭樹  3  5
 3 滝田真之佑 2  8
 4 野中誠太  8 26
 5 濱田虎之介 9  4
 ※参加:26台
マックスマスターズ表彰台。胸を張る堀(上段中)と悔しそうな2位小原(同左)。上段右は3位の佐々木伸一
マックスマスターズ表彰台。胸を張る堀(上段中)と悔しそうな2位小原(同左)。上段右は3位の佐々木伸一
 ○…マックスマスターズ(12台)は、先日の日本一決定戦で名実ともに「日本一のオヤジカーター」となった小原正美(おばら・まさみ、46)と同2位に敗れた堀大輔(37)が激しいマッチレースを展開し、堀が競り勝って日本一決定戦のリベンジを果たした。

 ▽マックスマスターズ(15周)
 順 ドライバー 予  T
 1 堀大輔   2  2
 2 小原正美  1  1
 3 佐々木伸一 8  3
 4 己野忠促  4  5
 5 矢嶋秀晃  5 12
 ※参加:12台
セニアマックスで完勝した堤が万歳!
セニアマックスで完勝した堤が万歳!
 ○…セニアマックス(20台)は当日、体調を崩したという堤優威(ゆうい、17)だったが、タイムアタック、予選、決勝とも制する完全優勝を飾った。

 ▽セニアマックス(17周)
 順 ドライバー 予  T
 1 堤優威   1  1
 2 菊地晃功  3  4
 3 岩舘直輝 10  8
 4 長谷川優太 8  9
 5 高柳亮介 11  6
 ※参加:20台

 ○…ジュニアマックス(14台)は、前回の大雨の中で強さを見せた佐藤万璃音(まりの、13)が危なげない走りでパーフェクトウイン。

 ▽ジュニアマックス(17周)
 順 ドライバー 予  T
 1 佐藤万璃音 1  1
 2 中山祥平  5  8
 3 堤洸太   2  5
 4 椎野拓磨  3  4
 5 スン・ヤン 4  7
 ※参加:14台

 ○…新東京サーキット毎年恒例の年始特大イベント「Winter Cup」が来年も開催される。優勝賞金総額60万円以上と超豪華。詳しくはホームページをチェック!
ジュニアマックス表彰台。(左から)中山祥平(15)、優勝した佐藤、3位の堤洸太(14)
ジュニアマックス表彰台。(左から)中山祥平(15)、優勝した佐藤、3位の堤洸太(14)