来季はTIAクラスへステップアップ
CA KART RACE Rd.6
賞金5万円の目録を手にする野中。2位の滝田、3位の斉藤は女の子だ
賞金5万円の目録を手にする野中。2位の滝田、3位の斉藤は女の子だ
 CA KART RACE Rd−6(東日本ジュニア・グランドチャンピオン大会併催)が9日、埼玉県のサーキット秋ヶ瀬で行われた。9クラスに104台が参加した最終戦。それぞれに熱戦が展開されたが、今回クローズアップするのは「カデットオープンクラス」。すでにシリーズチャンピオンを決めている野中誠太(12)が、ジュニアクラスの東日本グランドチャンピオンも獲得できるかどうかに注目が集まった。(敬称略)

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親指骨折から復帰

野中が先頭でローリングスタートを切ったカデットOP。2番手の滝田が続いた
野中が先頭でローリングスタートを切ったカデットOP。2番手の滝田が続いた
 カデットオープン最終戦には小学2年から中学生までの20人が出場。野中は開幕から4戦4勝してチャンピオンになっているが、新東京サーキット(千葉県市原市)のレース中に左手の親指を骨折したため前戦(第5戦)は欠場。だから今回は復帰戦となるが、東日本とのWタイトルがかかる大事な一戦になった。

 対抗馬は、野中不在の第5戦で勝利を収めた滝田真之佑。昨年の同クラスチャンピオンだけに、意地を見せたいところ。また、先日行われた全国大会で3位表彰台に上がった野辺旭樹も底力があり、侮れない存在だ。

 タイムトライアル(TT)、予選(15周)と野中が好調で連続トップ、滝田も2番手に食い下がる。女の子の斉藤麗が3番手。以下、野島遼葵、野辺と続き、6番手に山本素暖という順で予選を終えた。

し烈なトップ争い

 そして決勝(18周)。落ち着いてスタートをきっちり決めたのは野中。滝田も2番手に付ける。スタート直後、野辺、斉藤のポジション争いが激しく、斉藤はスピンしかけたが持ちこたえた。1周目にコントロールラインに戻ってきたのは何と滝田で、野中は2番手に落ちていたが、次の周には野中は滝田をかわして主導権を握る。

 7周すぎには早くも周回遅れが出始める。この処理の巧拙と、コーナーでの混雑具合で上位陣に動きが出てきた。野辺が3番手に付けていたが残り7周で山本にかわされた。さらに斉藤がスタート後のポジションダウンを取り戻して3番に復帰した。

意地のイン差し!!

 そして、トップ争いもし烈になる。滝田が猛スパートを仕掛け、ファイナルラップでは野中をかわした。そのまま滝田、野中の順で最終コーナーに突入。裏ストレートでは2人の差がやや開いたかに見えた。そのためか滝田もブロックラインを取らなかったのだが、野中はズバリと滝田のインに飛び込み、ほぼ横一線でゴールラインに飛び込んだ。結果は、野中がわずか0・111秒差で勝利。まさに“ハナ差”の勝負だった。正々堂々戦った滝田が2位。斉藤が3位表彰台を獲得した。

 秋に行われた全国大会でも上位陣を占め、今大会もレベルの高さを証明した秋ヶ瀬のヤマハカデットオープンクラス。この激戦区のクラスで活躍できれば、必ず上のクラスでも通用するだろう。

野中、クールでおとなしいカートの申し子

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 野中誠太はある意味、カートの申し子と言えるかもしれない。父・慎二さん(47)は、カートの輸入代理店のビレル・パシフィック勤務で、生まれた時からカートは身近な存在だった。だが3兄弟のなかで実際にカート場に足を運ぶようになったのは誠太だけ。姉と弟は関心を示さなかったという。

 レースを始めたのもそれほど早いとは言えない10歳というから2年前のこと。埼玉県川口市の自宅から、クルマで30分ほどの秋ヶ瀬と、ちょっと遠い新東京サーキット(千葉県市原市)に通いだした。そして昨年はカデットオープンに初挑戦。5戦に出場して優勝なしの3位3回でランキング3位に終わった。勝てなかったのは、性能の劣るカートに乗っていたことが理由とか。実際、本式のカデットOPのカートを得た今年は、かなり自信があったのだという。

 その予想通り、今季のシリーズが始まると、誠太は開幕から4連勝であっさり初タイトル獲得。今回の最終戦も勝って、出場したレースを全勝した。秋ヶ瀬と並行して初参戦した新東京でも6戦2勝でランキング2位の好成績を挙げた。来季はTIAクラスにステップアップする計画だ。

 母の美保さん(46)によれば、「誠太はふだんはクールでおとなしい」という。だが、「カートに乗るとガラリと性格が変わる。あんなに負けず嫌いだとは思わなかった。カートをやっていなければ分からなかったでしょうね」と母親が驚くほどの闘争心を内に秘めている。暇さえあれば、ネットの動画でほかの選手たちの走り方を研究しているという誠太。速く走るための環境は抜群で、成長が楽しみな若手カーターの一人だ。

 [CAカートレース第6戦](12月9日/秋ヶ瀬/1周608m/路面:ドライ)
 ▽ヤマハカデットオープン
 順 ドライバー チーム
 1 野中誠太  チームKBF
 2 滝田真之佑 チームKBF
 3 斉藤 麗  チームKBF
 4 野辺旭樹  チームKBF
 5 野島遼葵  チームKBF
 6 山本素暖  YRHKS
 7 鶴岡秀磨  チームKBF
 8 佐久間宇宙 YRHKS
 9 三井優介  ガレージ響羽
10 戸谷友規  チームKBF
 ※18周、参加20台

 ▽ヤマハSS
順 ドライバー
1 守谷 洋
2 浅野城之
3 高田 亮
4 加藤裕一
5 赤松洋祐
 ※18周、参加18台

 ▽Mini Rok
順 ドライバー
1 坂入悠斗
2 山中秀馬
3 比留間雄彦
4 遠山健斗
5 佐藤 樹
 ※18周、参加7台

 ▽S−EXP
順 ドライバー
1 杉本恋人
2 浦上 翼
3 染谷拓海
4 小泉椋靖
5 寄谷法光
 ※18周、参加8台

 ▽S‐Jr
順 ドライバー
1 関根陽幹
2 番場裕人
3 長島大和
4 諏佐佳宣
5 大越柚來
6 鳴門亮太
 ※18周、参加6台

 ▽コマー60‐EXP
順 ドライバー
1 龍至恵吾
2 星 涼樹
3 新井雄貴
4 松山幸生
5 斎藤 凛
 ※15周、参加13台

 ▽コマー60‐F
順 ドライバー
1 佐藤涼太
2 荒尾創大
3 三枝大和
4 田鍋快隼
5 足立大一飛
 ※12周、参加9台

 ▽キッズ
順 ドライバー
1 小山涼介
2 津島 匠
3 中山俊佑
4 霜出左近
5 平塚大峨
 ※8周、参加12台

 ▽AKIGASE‐SS
R1 R2 ドライバー
 1  1 原田誠司
 2  2 林 丈司
 3 11 長井 功
 4  9 上里健太
 5  3 野瀬貴士
 ※R1=第1レース(12周)、R2=第2レース(15周)順位。参加11台
カートを運ぶ父・慎二さん(左)。誠太の緊張も高まる
カートを運ぶ父・慎二さん(左)。誠太の緊張も高まる