“コカ・コーラ ゼロ”鈴鹿8耐特別編(18)
ライダー3名と本田監督による記者会見の動画もありますよ。ぜひご覧ください(カメラ=佐藤洋美)
ライダー3名と本田監督による記者会見の動画もありますよ。ぜひご覧ください(カメラ=佐藤洋美)
 “コカ・コーラ ゼロ”鈴鹿8時間耐久ロードレース(鈴鹿8耐)に向けてのテストは、合同公開テストの3日間、メーカーテストの1日、タイヤメーカーテストの1日の合計5日間行われました。昨年ヤマハファクトリーに奪われた勝利を奪回しようとするハルクプロは、高橋巧/ニッキー・ヘイデン/マイケル・ファンデルマークの布陣で挑みます。3人が顔を揃えたのは、メーカーテストとタイヤメーカーテストの2日間。初日は雨もあり、ニッキーは風邪気味で、ちょっと元気がなく、残すところ1日のテストに賭けました。2日目は雨がぱらついたり、赤旗中断もあって、思うように走れませんでしたが、泣いても笑っても、ここでテストは終了。高橋はふたりの走行を優先させ、少し乗っただけですが、エースライダーとして2分8秒5、マイクは2分9秒0、ヘイデンは2分9秒1までタイムアップ。チームベストの高橋のタイムでは総合5番手。ライバルのヤマハは中須賀克行/ポロ・エスパルガロ/アレックス・ローズで2連覇を狙います。テスト参加は中須賀、ローズのみで、中須賀が2分6秒台に入れ、ローズも2分7秒台で総合1、2番手でした。

 ハルクプロの本田重樹監督は「ヤマハに対抗するため、2008年から同一モデルのマシンを、今年はブレーキ、サスペンション、制御関係を変え、新たなマシン作りをしています。それが今はうまくはまっていない。5日間のテストは雨もあり、ドライのデータが足りていないので、仕上がりとしては70%〜80%と言ったところ。まだ、確認しなければならないところはあるが、ファンの心に残るレースをしなければならない」と語りました。公開テストではアドバイザーの伊藤真一が確認作業のため参加するなど懸命な取り組みを見せていました。本田監督は「ヤマハに『連覇は意外と難しいよ』ということを示したい」とも語りました。テストはあくまでもテスト、鈴鹿8耐で3勝しているチームの自信は揺らいでいません。

 今大会1番の注目を集める2006年ロードレース世界選手権(WGP)元チャンピオンのニッキー・ヘイデン。現在はワールドスーパーバイク(WSB)で戦い、マイクとはチームメイト。また、昨年のWGP日本GPにワイルドカード参戦した高橋のことをニッキーは覚えていて、「マネージャーと『良いライダーがいる』と話をしていた」と言います。高橋も「一緒に戦えることは光栄」だと。マイクと高橋が組むのは4回目で、チームワークは良好。テストを終えた3人は、青山のウエルカムプラザで行われたファンミーティングに参加、交流を楽しみ、健闘を誓いました。

 ニッキーが鈴鹿8耐を走るのは2003年以来。当時のレースは、スタート2周目、1コーナーでオイルを撒いた車両があり、それに乗ってしまったバイクで多重クラッシュが発生し、ニッキーもヨシムラの渡辺篤も犠牲に。赤旗は出ずに、そのままレッカーに乗せられてリタイヤ。その判定に当時のホンダの監督と吉村不二雄監督が抗議し「8耐のために努力して来た1年を無にするのか」と訴え騒然となりましたが、その声は届きませんでした。ニッキーは「あの続きをやり来た」と言います。

 両親も兄弟もレースをするモータースポーツ一家で育ち、当然のようにバイクで走り出したニッキーは「鈴鹿8耐は子供のころから良く見ていた。観覧車があって、ピットワークがあって、暗闇を走る8耐は特別なレースだった。僕にとってはヒーローたち(アメリカ出身のライダー)が活躍していた。ここを走ることは夢だった。8耐のトロフィーを持ち帰りたい」と笑顔を見せました。ニッキーは陽炎が揺れる酷暑の8時間を戦い抜き、観覧車に光が灯る夕闇を走り、表彰台の真ん中に駆け上がろうと誓っていました。
13年ぶりに8耐を走るニッキー・ヘイデン。どんなレースを見せてくれるか楽しみです(カメラ=佐藤洋美)
13年ぶりに8耐を走るニッキー・ヘイデン。どんなレースを見せてくれるか楽しみです(カメラ=佐藤洋美)