“コカ・コーラ ゼロ”鈴鹿8耐特別編(19)
青木宣篤がチームに加わり、今年は鈴鹿8耐に向けて入念な準備を進めてきたモトマップサプライ。チーム一丸となって挑みます。(カメラ=竹内英士)
青木宣篤がチームに加わり、今年は鈴鹿8耐に向けて入念な準備を進めてきたモトマップサプライ。チーム一丸となって挑みます。(カメラ=竹内英士)
 “コカ・コーラ ゼロ”鈴鹿8時間耐久ロードレース(鈴鹿8耐)のレースウィークに突入しました。鈴鹿サーキットの週間天気予報は、見事なまでに晴れマークが輝いています。年々、酷暑となり、ピットロードから見る1コーナーが陽炎で揺れるように見えるようになったのは、いつくらいからでしょう。決勝当日は、カメラマンやメカニックは、給油があるため耐火服を着なければなりません。ライダーは熱いエンジンを抱え、1スティント約26周は走り続けるのです。飲み水は凍らせて背中に入れますが、一瞬してお湯に変わるそうです。それでも、いや、それだからこそ、8時間後のチェッカーがかけがえのないものになるのかも知れません。

 モトマップサプライは、どこよりも早くに鈴鹿8耐のラインナップを発表。早くから鈴鹿8耐に向けて準備をして、しっかりトレーニング、暑さに負けない身体を作って来ました。エースライダーの今野由寛に加え、昨年からスズキのモトGP開発ライダー青木宣篤がチームに参加、鈴鹿8耐を戦うようになりました。新たに加わったジョシュ・ウォーターズは、ヨシムラでの雄姿で知る人も多いと思いますが、彼も青木に口説かれ合流。昨年の年末年始には、ジョシュの家(オーストラリア)に今野と青木は合宿で出かけているのです。ジョシュの家にはサーキットがあり、走り放題ですから、ライダーにとって最高の環境があり、3人は、明けても暮れても走り続けて、ダートに、モトクロスとしっかりトレーニングを重ねました。

 今季の全日本ロードレース選手権JSB1000開幕戦となった鈴鹿2&4では、200キロとセミ耐久が復活。モトマップは今野とジョシュのコンビで参戦します。その前には間瀬サーキットでテスト走行、マシンのポジション確認などを終えての鈴鹿入り。鈴鹿8耐に向けてデータを蓄積することも目的でしたが、2&4は赤旗が出るなどの波乱があり、結果10位でチェッカー。続くもてぎ戦はスプリントのため今野のみの参戦で9位。3戦目はSUGOで120マイル、ここもセミ耐久のため今野とジョシュが参戦、12位でチェッカーを受けました。

 今野は「昨年の8耐で宣篤さんに加わってもらうようになり、セッティングの仕方や、ライディングを含めてのアドバイスに、驚くことばかり。いろいろな見方が出来るようになって、これまでとレースへの取り組み方が変わりました。ジョシュを連れて来てくれて、宣篤さんがいることでチームとしてレベルが上がりました。一緒にトレーニングをする機会もあり、コミュニケーションは問題なし。いいレースが出来ると思う」と自信を深めています。ジョシュは「8耐はオーストラリアでも人気のレース、ここで活躍することは、次のチャンスへとつながることになる」と決意しています。青木は「もう、8耐を走ることはないと思っていたけど、昨年誘ってもらって一緒に8耐を戦ったことで、スズキのユーザーのために、自分が助けになるならと思うようになった。チームを強くしたいと思って取り組んでいる。昨年はうまくまとまらずにテスト、レースウィーク、決勝と走り10位だったが、今年は順調。どんなコンデションでもコンスタントにタイムを刻める状態まで来た」と手応えを感じています。
エースライダー今野由寛とジョシュ・ウォーターズは、今季全日本ロードレース選手権のセミ耐久レースに参戦し、鈴鹿8耐に向けての調整を続けてきました(カメラ=佐藤洋美)
エースライダー今野由寛とジョシュ・ウォーターズは、今季全日本ロードレース選手権のセミ耐久レースに参戦し、鈴鹿8耐に向けての調整を続けてきました(カメラ=佐藤洋美)
 モトマップはスズキを代表するチームで、エースライダー今野は全日本ロードレース選手権JSB1000、そして鈴鹿8耐を戦い続けています。チームのホームページでは、今野が駆るスズキGSX−R1000のセッティングデータを公開するなど、ユーザーにとって頼りになるチームです。更にブリヂストンの17インチの先行テストを担い、試行錯誤しながら、貴重なデータを蓄積してもいるのです。

 青木は「3年計画だと思っている。今年は2年目で飛躍の年としたいが、そんなに簡単ではないことも知っている。タイヤの重要性は誰でもが知っていること。マシンのポテンシャルを引きだすためにも、しっかりとやらなければならないと思っている。今年は2分10秒アベレージで、トップ6を目標としている」と言います。

 今野は桶川出身のミニバイクでは俊足を誇り無敵のチャンピオン、世界で活躍した青山博一、周平らの兄貴分。ジョシュもロードレース世界選手権(WGP)チャンピオンを輩出したオーストラリア期待のライダー。青木宣篤は青木3兄弟の長男、ミニバイク時代からスター選手で、WGP最高峰クラスで、ホンダ、スズキ、プロトンとマシンを乗りこなしてきた逸材。ブリヂストンのモトGPタイヤテストでも力を尽くしてきました。鈴鹿8耐でも優勝を経験。キッズレースなど、育成にも尽力しています。

 3人の力を合わせて、8時間を戦い抜く、その先の未来をも見据えてのモトマップサプライの挑戦は、どんな夢を引き寄せるのか、楽しみです。