モトGPのレジェンド!バレンティーノ・ロッシ
モトGPのレジェンド!バレンティーノ・ロッシ
 オフシーズンに読んでもらえたらと、少しずつコラムを書いていこうと思います。

 今年のモトGPは最後まで激しい戦いが続き、9人の勝者が生まれ、秋に行われた日本GP(ツインリンクもてぎ)でマルク・マルケスが激闘のシーズンを制し、チャンピオンを獲得しました。

 そんな日本GPが行われたツインリンクもてぎで、「ライバル 〜 History of Japanese 〜」と題した展示が行われていたのをご存じですか? 2000年以降にモトGPで活躍したチャンピオンマシン9台がメーカーの枠を超えて集結しました。見逃した方にもぜひ見てもらいたいなと、ツインリンクもてぎの協力で撮影して頂いた写真を提供してもらいました。

 以前、ケーシー・ストーナーに引退のインタビューをさせてもらったときに「毎年メーカーのエンジニアと協力してマシンを開発し、戦闘力を上げるけど、翌年にはまたレギュレーションが変わってしまう。なんだか、そういったことにも疲れてしまった」と囁くように言っていたのが印象に残っています。エンジニアたちが、知恵を絞り、メカニックがマシンとライダーの能力を引き出すために力を尽くすレースは、レギュレーションが変わる毎に積み上げたものを崩し、再度、構築していく戦いなのだと思いました。

 そして、モトGPの歴史は、まさしく、ロッシとライバルの戦いを軸に回っていくのです。2000年ホンダで最高峰クラスGP500に参戦開始。マックス・ビアッジとの熾烈な争いがWGPパドックだけでなく、イタリア国内を二分する論争となりました。2002年WGPの最高峰クラスは、2ストロークの500ccエンジンを搭載した500ccから4ストローク990ccエンジン搭載のMotoGPマシンへと変革。ロッシはモトGP初代チャンピオンに輝きます。

 2003年、ロッシはモトGP2連覇を達成。2004年、ロッシはホンダからヤマハへと電撃移籍を決めると、激闘を制して見事優勝。号泣してヤマハのマシンにキスをするロッシの姿は、まるで映画の中のワンシーンのようでした。ライバルとして立ちはだかるセテ・ジベルノー(ホンダ)に仕掛ける心理戦が話題になりましたが、ロッシはホンダでもヤマハでも王者であることを証明します。翌年もロッシはタイトルを獲得し連覇達成。11勝を挙げ、ジャコモ・アゴスチーニ、ミック・ドゥーハンに並び、最高峰クラスで5度目のタイトルを獲得。自身通算7度目の世界タイトルに輝きました。
「ライバル 〜 History of Japanese 〜」の展示マシン
「ライバル 〜 History of Japanese 〜」の展示マシン
 2006年はニッキー・ヘイデンがタイトルを奪取。翌2007年は、モトGPの排気量が990ccから800ccへと変更され、この年はC・ストーナー(ドゥカティ)がタイトルを獲得します。2008年、ロッシはツインリンクもてぎで8勝目を飾り、チャンピオンを決めます。「今日の優勝は2004年にヤマハで初めてタイトルを獲得したときと同じくらい、いや、やっぱり、それ以上に嬉しい。ペドロサとストーナーは手強く、彼らの戦いは楽しかった。ヤマハで3つ目のタイトルを獲得できたことに満足している」と語り、ロッシは6度目の栄冠を得ます。

 2009年からはタイヤがブリヂストンのワンメイクとなりますが、それでもロッシの強さは健在、見事に連覇達を達成します。2010年からは、エンジンが6基に制限され、この年のチャンピオンはチームメイトのロレンソが獲得しました。

 2011年、ロッシはドゥカティに移籍。この年は、ホンダに移籍したストーナーがタイトルを獲得します。2012年にはマシン規定が変更され、エンジンの排気量上限が800ccから1000ccへと引き上げられ、この年、ロレンソがチャンピオンを獲得しました。ただ何と言っても、12年はライバルのケーシーの現役引退が印象的な年でした。まだ若くしてレースから退くことに、世間は驚きました。

 ロッシは2013年にはヤマハに復帰。エースライダーとなったロレンソとロッシがチームメイトとなり、ピットに衝立が出来たと話題になりました。そしてライバルのホンダ陣営には、新星マルク・マルケスを迎えます。

 2013、2014年は、新星マルケスがV2を達成。翌2015年、ロッシはマルケスと熾烈なタイトルを繰り広げ、第17戦マレーシアGPではふたりの間に接触事故が起き、マルケスが転倒、ロッシはペナルティーを課され、最終戦バレンシアで最後尾スタートという波乱のドラマが巻き起こり、最終的にタイトルを獲得したのはロレンソでした。
「ライバル 〜 History of Japanese 〜」の展示マシン
「ライバル 〜 History of Japanese 〜」の展示マシン
 今年2016年は、タイヤがミシュランに変わり、共通ECUも採用され、MotoGPは、新たな局面を迎えました。その激しさの中でも、ロッシは現役最年長の37歳ながらタイトル争いを戦っています。ロッシカラーである黄色に染まるスタンドは健在、熱狂的なファンが世界中におり、彼の言動全てが注目される「生きた伝説」であり続けています。それって、やっぱり、すごいことだなと、激闘を繰り広げたマシンを見ていて心から思ったのでした。