“コカ・コーラ”鈴鹿8耐特別編(2)
「チーム阪神ライディングスクール&柏南自動車教習所」の、西嶋修(左)と柳川明(佐藤洋美撮影)
「チーム阪神ライディングスクール&柏南自動車教習所」の、西嶋修(左)と柳川明(佐藤洋美撮影)
 “コカ・コーラ”鈴鹿8耐の参戦発表を、いち早く行ったのは「チーム阪神ライディングスクール&柏南自動車教習所」。全日本ロードレース選手権第2戦・鈴鹿2&4の土曜日に行われたピットウォークで、西嶋修(46)と柳川明(45)が組むことが発表され、大きなサプライズとなりました。柳川は現在、カワサキ「チームグリーン」でコーチ兼ライダーとなり、ルーキー松崎克哉のアドバイザーをしながら、全日本ロード後半戦に参戦予定です。昨年の全日本ロード 第8戦・岡山国際の事前テスト中に転倒し負傷、その後レースへの参戦はなかっただけに、鈴鹿2&4で元気な笑顔が見られただけもホッとしました。

 昨年の鈴鹿8耐、カワサキ2位の原動力となった柳川が、今年はプライベートチーム、それもトライアウトを通過しなければ鈴鹿8耐に出場できないチームから参加することに驚きはありましたが、15年振りに帰ってくる「チーム阪神ライディングスクール」なら、ファンも素直に応援したいと思ってくれそうです。

 「チーム阪神ライディングスクール」と言えば、プライベートチームの雄。強烈な個性を放ち、ワークスに負けない存在感を持っていました。ヤマハ、ホンダワークスで活躍した木下恵司や、峠のヒーローだった故大島正を初め、1994年の全日本最高峰クラス第2戦(MINE)でワークスチームを抑えて優勝した梁明。その後、梁はカワサキワークスに迎えられます。でも、この時、梁はライダーなら誰もが飛びつくワークス入りの話に「このチームのままでもいい」と悩んでいました。こんなビッグチャンスにも関わらず考え込んでしまうほど、良いチームなのだなと思ったことを覚えています。他にもプライベートトップクラスの西嶋修、モリワキなどで速さを誇った今井伸一朗、現在、トリックスターの監督として世界チャンピオンを目指している鶴田竜二も所属していました。

 「チーム阪神ライディングスクール」の鈴鹿8耐初参戦は1987年。そこから2002年まで戦い続け、最高位は2000年の西嶋修/鶴田竜二の5位。実に19回もの参戦を誇ります。日本のレース界になくてはならにチームとして活躍していましたが、2003年レース活動を休止します。

 今年、その名門チームが復活するのです。この復帰のニュースは、チーム阪神ライディングスクールに関わっていたスタッフやファンに瞬く間に広まりました。泣きながら復帰を喜んでくれたり、「名門復活」と歓迎してくれるファンが今もまだ多くいることに、チーム阪神ライディングスクールの有馬裕二(63)監督は驚くことになります。15年振りに復活を決めたきっかけは、昨年の鈴鹿2&4レース。当時のメンバーが集まったことで、一気に復帰への話が加速。全日本ロード第2戦・鈴鹿2&4と第7戦・オートポリス2&4、そして鈴鹿8耐参戦に向けて準備を整えます。マシンはカワサキ Ninja ZX−10RRとなり、タイヤはブリヂストン。

 有馬監督は「昨年に集まったとき、鈴鹿8耐も40周年という記念の年だし、また、参加出来たらいいだろうという話になった。息子が、やりたい、やらせてほしいと西嶋と一緒に頼んで来たんです。今回、中心になっているのは、自分ではなく息子です」と語ります。その背中を強く推した息子の裕人さん(26)は「子供の頃からサーキットに連れて来てもらっていて、みなさんのがんばりをそばで見て来ました、また、帰って来たいとずっと思っていたんです。父に代わって、いろいろな準備をしたり、チームウェアのデザインもしたりと、忙しいですが、それも楽しい作業です。こうやって発表出来ることになり、嬉しく思います」と語ります。

 そして迎えた鈴鹿8耐への参戦権利を賭けたトライアウト・鈴鹿2&4レースで西嶋は総合29位、トライアウト対象チーム内で10位に入り、鈴鹿8耐への出場権を獲得しました。柳川は「僕は基本的に、いつだって、どこだって、走りたいと思っているので、鈴鹿8耐に参加出来ることが本当に嬉しい。機会を与えてもらったことに感謝しています。西嶋選手とは一緒にトレーニングをしたりインストラクターをやったりと長い付き合いです。ストッククラス(より市販車に近いクラス。エンジン、サスペンション、ブレーキなど市販状態で使用)での参戦ですが、それでも優勝を目指します」と意気込んでいます。西嶋は「柳川さんと組んで鈴鹿8耐に参戦出来るなんてすごいこと、8耐まで一緒にトレーニングをして、しっかり準備をしたい。このチームで参戦出来ることが何よりも嬉しい」と感激していました。

 第3のライダーの発表はこれからと、さらにサプライズがあるかも知れません。8耐レース本番に向け、有馬監督は「同窓会になりそうだ。梁はアドバイザーとして参加予定」と笑顔を見せていました。親子二代で鈴鹿8耐に挑む「チーム阪神ライディングスクール」の挑戦は、きっとブランクなんて関係ない、あの頃のまま、熱いガッツの塊のような戦いをしてくれるのだろうと楽しみなのです。
チームのRQは「コズミック☆倶楽部」。爆風スランプのギタリスト、パッパラー河合プロデュースによる、柏市を拠点に千葉県を歌で全国にPRすることが目的のユニットです。メンバー全員がモデルとして「ちばかわいいくらぶ」を発行する他、企業広告モデルとして活躍中(佐藤洋美撮影)
チームのRQは「コズミック☆倶楽部」。爆風スランプのギタリスト、パッパラー河合プロデュースによる、柏市を拠点に千葉県を歌で全国にPRすることが目的のユニットです。メンバー全員がモデルとして「ちばかわいいくらぶ」を発行する他、企業広告モデルとして活躍中(佐藤洋美撮影)