“コカ・コーラ”鈴鹿8耐特別編(4)
昨年の“コカ・コーラ”鈴鹿8耐表彰式(鈴鹿サーキット提供)
昨年の“コカ・コーラ”鈴鹿8耐表彰式(鈴鹿サーキット提供)
 ヤマハは5月28日、“コカ・コーラ”鈴鹿8時間耐久ロードレース第40回記念大会へ向けて参戦体制を発表、「青の真価」をスローガンに、ファクトリー体制の2チーム「YAMAHA FACTORY RACING TEAM」と「YART Yamaha Official EWC Team」が出場し、3連覇、そして7回目の鈴鹿8耐制覇へ必勝態勢で臨むことになりました。

 レースシーズン開幕前の3月4日に行われたヤマハ発動機モータースポーツ活動計画発表会で、昨年同様のファクトリー2台体制で鈴鹿8耐に臨むことが明らかにされましたが、発表会では、3連覇にかけるヤマハの思いを強く感じ中須賀克行を中心としたモトGPメンバーで構成されるチームと、スーパーバイク世界選手権(WSB)中心のチームでは?という超豪華ラインナップを予想する声も聞かれました。実際に発表されたラインナップは想像とは違いましたが、勝てる力を持った2チームであることは間違いなく、モトGPライダーはいませんが、負けないくらいの強力な布陣です。各メーカーのなかでいち早く体制発表を行ったことからも、その熱意が伝わって来ます。

 「YAMAHA FACTORY RACING TEAM」は、2015〜16年で鈴鹿8耐2連覇、そして国内最高峰の全日本ロードレース選手権JSB1000クラス5連覇を達成した王者・中須賀克行と、WSBにチーム「Pata Yamaha Official WorldSBK Team」から参戦中のアレックス・ローズ、マイケル・ファン・デル・マークの3名が組み、監督は全日本ロードJSB1000クラスファクトリーチームの監督でもある吉川和多留が昨年同様に努めます。

 鈴鹿を知り尽くした中須賀の速さは誰もが認めています。今年の全日本ロードでは転倒が続いていますが、それでも彼の実力を疑う人はいません。

 アレックスは、昨年の鈴鹿8耐もこのチームで参戦しています。速さはあるがその裏返しで転倒も多いと聞いていたので、憧れのファクトリーチームで走れることで気合が入りすぎてアクシデントにつながらなければいいが、と心配する関係者もいました。しかしレース本番では、安定感ある速さを見せ、吉川監督が合格点を出す走りで優勝に大きく貢献しました。

 マイケルは、2013年スーパースポーツ世界選手権(WSS)に参戦していた時に、ホンダのエースチームであるハルクプロに抜擢されて鈴鹿8耐参戦、その年に優勝を果たしました。翌2014年も優勝して2連覇を飾りました。14年はWSSでもチャンピオンに輝き、2015年からWSBへ参戦開始したシンデレラボーイです。この鈴鹿8耐2連覇はハルクプロのエース高橋巧の功績も大きいですが、マイケルは高橋と遜色のない速さを示していました。昨年の鈴鹿8耐、ハルクプロはリタイアに終わりましたが、今季は移籍したヤマハからの参戦です。マシンを乗り換え、どんな走りを見せるのか注目が集まっています。
「YAMAHA FACTORY RACING TEAM」の中須賀克行(鈴鹿サーキット提供)
「YAMAHA FACTORY RACING TEAM」の中須賀克行(鈴鹿サーキット提供)
 中須賀は「鈴鹿8耐の優勝経験者がチームメイトであり、YZF−R1、チームも2015年から進化・熟成し、万全の体制が整っています。ライバルもニューマシン投入など強化してくると思いますが、ファクトリーの名にかけて勝たねばならないレース」と気合を込めます。

 そして、2016−2017年FIM世界耐久選手権(EWC)にレギュラー参戦し、3戦を終えランキング4位、シリーズチャンピオンを目指す「YART Yamaha Official EWC Team」は、ブロック・パークスとマービン・フリッツ、そして同チームのレギュラーライダーであり、全日本ロードをファクトリーチームから参戦している野左根航汰のラインナップ。マービンは初の鈴鹿8耐参戦となり「子どもの頃からYARTで走りたいと思っていた僕にとって、その憧れのチームから、特別なレースである鈴鹿8耐に出場できるなんて夢のようです」と語ります。

 マシンは、鈴鹿8耐用に開発したファクトリー仕様の「YZF−R1」を使用し、過去の鈴鹿8耐や全日本ロード、EWCで実績のあるブリヂストン製のタイヤを装着します。

 このファクトリー2チームに加え、ル・マン24時間耐久レース、オッシャースレーベン8時間耐久レースで2連勝を飾る「GMT94 Yamaha Official EWC Team」(GMT94)も鈴鹿8耐に参戦します。GMT94は2012年鈴鹿8耐で3位に入った実績があり、EWCのランキングは現在2位、トップのSuzuki Endurance Racing Teamを7ポイント差で追い掛けています。タイトル決定戦となる鈴鹿8耐に必勝態勢で挑むのは必至。今年の夏はヤマハにとって、鈴鹿8耐3連覇、そしてEWCチャンピオン獲得というダブルな喜びが待っているのかも知れません。
中須賀克行の走り(鈴鹿サーキット提供)
中須賀克行の走り(鈴鹿サーキット提供)