“コカ・コーラ”鈴鹿8耐特別編(14)
Team Sup Dream Hondaから8耐参戦する伊藤真一(赤松孝撮影)
Team Sup Dream Hondaから8耐参戦する伊藤真一(赤松孝撮影)
 “コカ・コーラ”鈴鹿8耐第40回記念大会(7月30日決勝)に、伊藤真一(50)が3年ぶりに参戦することになりました。参戦チームは、ホンダのサプライヤー16社が集まり結成されたTeam Sup Dream Hondaです。伊藤のためにチームが結成されてしまうのはすごいことだなぁ、というのが正直な感想でした。それだけ、ホンダは伊藤を大事に考えているということで、嬉しいことでもありました。

 ただ、レーシングチームを作ることは、そう簡単ではありません。どんなに才能があるライダーでも、その能力を引き出してくれるメカニック、チームがあってこそ、勝利にたどり着くわけです。耐久においては、そのチームの重要性が大きくなります。

 春の発表から鈴鹿8耐まで、多くの時間が残されているわけではありません。ですが、このプロジェクトを進めるのはホンダですし、バッグアップするのは名門TSRと聞き、一安心。ピットを覗くと、その昔、伊藤を支えた懐かしい顔のメカニックも見えました。もちろん、このチーム結成と同時に送り込まれたスタッフも多く、伊藤のピットにはたくさんの人がいました。
Team Sup Dream Hondaから8耐参戦する伊藤真一(赤松孝撮影)
Team Sup Dream Hondaから8耐参戦する伊藤真一(赤松孝撮影)
 伊藤の新チームは、鈴鹿8耐への参戦権を得るため、トライアウトに挑まなければなりません。全日本ロードレース選手権第2戦2&4鈴鹿では転倒してしまいますが、次戦第3戦SUGOで権利を得ることができました。第3戦SUGO、第4戦もてぎもピットがなくテントでの作業でした。レジェンド伊藤でも特別扱いはしない厳しい状況ですが、伊藤は「これも新鮮。何よりもレースが出来ることが嬉しい」と取り組んでいました。

 今月5日、6日開催された8耐合同テストには、伊藤とチームメイトのふたり、TSRでEWCを戦っていたジョシュ・フック(23)、グレッグ・ブラック(27)が参加しました。ふたりに「伊藤さんの年齢を知っている?」と聞いたら、グレッグは「僕の父と変わらない年齢なのに、現役ライダーだというのすごい。素晴らしいキャリアがあり、ものすごく心強い」と語ります。ジョシュは「僕が50歳になった時に、過酷な8耐に参戦できるとは思えない、きっとふらふらだよ。でも伊藤さんは違う。これまでの経験をシェアしてくれて、何か問題が起きると解決してくれるんだ。伊藤さんの力を借りていいレースがしたい」と言いました。伊藤は「年齢が問題だと感じることはないし、言い訳にしたくないと思う。まだ、ちゃんと走れると思うんだよね。うまく言えないが、自分の思う感覚を戻し、自分の走りが出来るマシンを仕上げたいと思う。そこに挑戦している」と言います。
Team Sup Dream Hondaから8耐参戦する伊藤真一(赤松孝撮影)
Team Sup Dream Hondaから8耐参戦する伊藤真一(赤松孝撮影)
 1988年、伊藤は、全日本昇格と同時にホンダワークスに迎えられ、500参戦開始。その年、初参戦のロードレース世界選手権(WGP)ではトップ争いを繰り広げて転倒してしまいますが、そのインパクトは大きなものでした。翌年には全日本タイトルを獲得。1993年から97年までWGP参戦して最高位は2位。1997年日本人ペア初となる鈴鹿8耐勝利を挙げたのも伊藤でした。鈴鹿8耐勝利数は4で勝利記録は歴代2位。鈴鹿8耐7度のポールポジション獲得の記録は破られていません。

 今年のマシンはキット車のため、トップ争いは難しいかもしれませんが、このプロジェクトは「3年かけて鈴鹿8耐優勝を狙う」というもの。まずは、今年、大きな一歩を踏み出します。
Team Sup Dream Hondaから8耐参戦する伊藤真一(赤松孝撮影)
Team Sup Dream Hondaから8耐参戦する伊藤真一(赤松孝撮影)