WGP日本GP特集(3)
全日本ロードレース第8戦岡山国際サーキットでの水野涼の走り(赤松孝撮影)
全日本ロードレース第8戦岡山国際サーキットでの水野涼の走り(赤松孝撮影)
 水野涼(19)は、10月1日に行われた全日本ロードレース選手権JGP2決勝レース岡山国際で、今年のシリーズチャンピオンを獲得しました。水野は開幕3連勝を飾り、4戦目のツインリンクもてぎで3位、その後の第5戦オートポリスでふたたび勝利すると、6戦目岡山国際はきっちりとポールトゥウィンで飾り、最終戦を待たずにタイトルを獲得します。ランキングトップを誰にも譲ることのなかった水野は、WGP日本GPのワイルドカード参戦の権利を得ました。

 水野は「今年の目標はワイルドカード参戦だった。そのためにチャンピオンを取りたいと思っていた。できればタイトルを決めて、日本代表として参戦したいと思っていたから、決めることができてホッとした」と語っていました。
水野は今季、全日本ロードJGP2クラス王者を獲得した(赤松孝撮影)
水野は今季、全日本ロードJGP2クラス王者を獲得した(赤松孝撮影)
 水野にとってワイルドカードで日本GP参戦するのは2度目。2015年にモト3に参戦しますが、「ビリ争いをしていた」とまったく歯が立たなかった苦い思い出です。朝のウォームアップランでは4番手につけましたが、決勝では2ラップ目転倒してしまいます。水野は「抜かれるスピードも全然違って、この人たちは頭の仕組みが違うんだと、圧倒されていた。決勝は1ラップしかできなかったけど、その1ラップがものすごく楽しかった。自分より速い人しかいなくて、未知の世界に触れた経験は最高だった。あれをきっちりと23ラップ味わいたかった」と、強烈な印象を残すのです。

 その年、水野は全日本ロードJGP3でチャンピオンとなり、昨年からJGP2に参戦を開始しました。序盤戦はマシンの乗り換えで戸惑っていましたが、後半戦に賭けてライディングをアジャストし、トップ争いの常連となり、今季は圧倒的な強さを見せています。水野は「初めてのワイルドカードから2年たって、少しは成長していると思うので、それを示したい」と語ります。
水野はWGP日本GPスポット参戦の経験を生かしたて、どこまで飛躍できるか?!(赤松孝撮影)
水野はWGP日本GPスポット参戦の経験を生かしたて、どこまで飛躍できるか?!(赤松孝撮影)
 マシンは全日本で乗っているホンダHP6qからカレックスに乗り換え、ブリヂストンからダンロップへと変わります。すでにテストを開始していて、「まったく違うバイクとタイヤで走ることで発見がたくさんあって、それぞれのマシンに合わせてライディングを変えることで、お互いに活かせるヒントが見つかる。岡山国際でも、そのメリットを生かせた」と普通なら戸惑う乗り換えを楽しんでいるようでした。

 昨年ワイルドカード参戦した関口太郎は、日本GP参戦後の最終戦で独走優勝を飾っており、水野に「日本GPを走ることで、多くの刺激を受け、ライダーとしてのスキルが確実に上がる。すごいライダーと走ることで、自分の甘さに気が付かされる。水野は日本GPを経験して確実に速くなる」とエールを送っていました。

 水野は「厳しい戦いに決まっているけど、目標はドライなら15位、ウィットなら10位。自分がここにいるんだと存在を示したい」と目標を定めています。その思いの先には、中上貴晶のモトGP昇格のあとのモト2ライダーを継ぎたいという願いが隠れています。中上が全日本で走っていたチームの後輩であり、中上がモト2参戦を決めたときと同等の活躍を示しています。海外参戦のチャンスを求めて、結果を引き寄せてきた水野にしたら、当然の願い。近年、世界への夢はFIM/CEVレプ揃う国際選手権やタレントカップといった海外戦からという風潮があり、全日本からでも世界への夢が叶うことを示したいという思いもあります。その願いが届くのか、もてぎに、見届けにきてほしいなと思うのです。