モータースポーツシーズン中はレース取材に追われ、コラムの更新もままなりませんでしたので、ここでちょっと、シーズンを振り返りつつ、更新して行きたいと思っております。
 まずは「もて耐」の話題から。毎年、鈴鹿8時間耐久ロードレースの後にツインリンクもてぎで行われる一般参加の耐久レースで、「世界一の草レース」としてスタートした通称「もて耐」。今年は8月26日〜27日に開催され、20周年を迎えました。74台が予選通過し、初の試みとなる2日間で11時間耐久に挑みました。

 記念のセレモニーでは、第一回から欠かさずに参加している6人のライダーたちが「皆勤賞」として表彰されました。勇気レーシングの立石数一さん、菅野貴さん、芳井レーシングの芳井隆夫さん、ライディングスポーツファイヤ67の青木淳さん、WITH ME RR MSTVの丸山浩さんが表彰されました。彼らはこの20年間、もて耐で走ることをライフワークのように過ごし、バイク仲間たちとの絆を紡いで来たのです。

 もて耐は、ライダーとしてのスキルの優劣だけで勝敗は決まらず、さまざまなルールがあり、チームワークが大きな武器になるのです。ライダーも素人なら、メカニックも、ヘルパーだって。初めてレースに触れる人も多く、タイヤ交換ができるとガッツポーズ、給油がうまく行けばハイタッチをしたり、喜びを分かち合う姿が、ピット前で見られます。みなさん真剣そのものですが、小さな達成感にともなう喜びが、ピットインアウト、ライダー交代の度にあって、緊張感の中にも、どこかほのぼのと温かい雰囲気があります。
 それに、何人もの女性ヘルパーが取り巻き、王様気分を味わえるライダーもいて、これはライダーの特典だわぁ〜と羨ましくもなります。もちろん男所帯で黙々と戦う人たちもいますが…。

 今年のもて耐には、世界チャンピオンの原田哲也さんや、元モトGPライダーの宇川徹さん、全日本トップライダーの武田雄一さんらも参加し、仲間たちとレースを楽しんでいました。原田さんとバトルができた武田さんは「原田さんは、僕たち世代にとっては雲の上の存在。憧れなんて言っていいのかと思うほど、すごい人。一緒にレースをしたことがなかったんですが、ここで一緒に走ることができて、すごく嬉しい」と、瞳を輝かせていました。武田さんがものすごく喜んでいたと原田さんに伝えると「僕も楽しかった」と笑顔を見せてくれました。

 現役時代の原田さんには近寄りがたいオーラがあって、声をかけるのにドギマギしたものですが、ここでは笑顔を見ることができました。

 宇川さんはもて耐常連ライダーで「レースは一生やめられない。こんなふうにドキドキできるのはレースだけ」と、現役時代と変わらず、いやそれ以上の気真面目さで取り組んでいて、それは爽やかな感動をくれました。

 コース上で、原田、宇川、武田と出会い、感激しているライダーが多くいるのも「もて耐」の魅力なのです。

 11時間耐久レースを終え、皆勤賞の立石さんは総合41位、加藤さん、菅谷さんは11位、芳井さんは60位、青木さんは73位でブービー賞、ケガを押して参戦した丸山さんは62位。ライダースクラブレーシングチームから参戦した原田さんは21位で、メディア賞を獲得しました。BLUE EYES & DREAM柏から参戦した宇川さんは9位とトップ10入り。武田さんのTeamKYOEI & STRIKER Racingは57位でチェッカーとなりました。
 もて耐はさまざまな賞があることでも知られており、表彰式が長いことでも有名です。総合上位3チームの他に、参戦マシンごとにクラス分けされたトップチームには茂木町賞、20回目を記念してジャスト20位賞、マシンカラーリングの美しさで競うベストデザイン賞。そして「ライダー最年少賞」には、当時15歳の佐々木將旭選手が選ばれました。彼は大治郎カップのチャンピオンで、将来を嘱望されるライダー。武田さんのチームで奮闘しました。

 「最年長ライダー賞」には5年振りにもて耐参加した八木原昇選手で、なんと77歳!賞獲得に歓声を集めていました。

 「レディース賞」に永田真由美選手、平野ルナ選手が選出されました。「遠くから優勝狙ってやってきました賞」には熊本県からやってきた細野俊之選手が選ばれ、何度も繰り返される表彰式にシャンパンファイトは、それぞれの笑顔があふれるのでした。

 もて耐が行われたのはで8月下旬の残暑厳しい頃で、今年の寒さが厳しいだけに、あの暑さが、少し恋しいくらいです。