モータースポーツシーズンが始まり、世界中から熱戦の模様が伝えられています。2輪では、アジアロードレース選手権(ARRC)が3月4日から開幕。昨年までは、「アジアンチャレンジ」(SAC)クラスがありましたが、今季は休止となったとのリリースが届いていました。SACは2015年、元スズキワークスライダーで、全日本ロードレース選手権に参戦する「チームカガヤマ」代表でライダーの加賀山就臣が、スズキのバックアップを得て発足。将来世界に通用する若いアジア人ライダーを育成するために始まりました。
 初年度はSUZUKI SATRIA F150、2年目はSUZUKI SATRIA F150FI、そして3年目はSUZUKI GSX−R150を車両として使用し、レース初心者でも取り組みやすい車両、タイヤはダンロップのワンメークの戦いでした。

 初年度は9ヶ国から集まった17名が参加。2年目には10ヶ国から20名、昨年は9か国16名のライダーが参加し、熱戦を繰り広げました。インドネシア、ベトナム、マレーシア、スリランカ、タイ、フィリピン、ネパール、インド、オーストラリア、シンガポール、日本からの参加があり、3年間で11カ国45名のライダーが挑みました。

 同様の試みに、ホンダのアジアドリームカップ(CBR250R)があり、12年度には大久保光、13年度は尾野弘樹、14年度はカリール・イダム・パウィ、15年度はムクラダ・サラプーチ、16年度は中村大輝がタイトルを獲得。その後、彼らはここをステップに世界に飛び出すなど、様々な活躍をしています。
 アジアンチャンレンジは、アジアドリームカップよりもビギナーよりのライダーたちが集まり、バイクの楽しさ、レースの面白さを感じることができるクラスだったように思います。アジア各国から集まった若者たちが、学校のクラブ活動をするように、必要なルールを学び、交流していたように思います。そして加賀山は校長先生のような立場で、ライダーたちを見守っていました。

 加賀山は「この3年間で多くのライダー、メカニック、スタッフが大きく成長する様子を見られたことを嬉しく思います。一人一人が成長し、一定の成果を出すことができました。彼らがこれからも育ち続け、いつか世界の舞台でともに戦える日が来ることを願っています。皆さま、3年間ありがとうございました。」と語りました。
 アジアンチャレンジのライダーたちが、加賀山がスポット参戦した昨年のARRC600の鈴鹿ラウンドで、熱心に応援していた姿を思い出します。その声援を受け、加賀山は3位表彰台へと駆け上がったように思います。加賀山にとっても、印象的な出来事でした。そして、戦った仲間たちは、今も変わらぬ交流を続けているそうです。

 一流の選手を育てることも尊いことですが、バイクが好き、レースって面白いと感じてくれたであろうアジアンチャレンジの仲間たちは、それぞれの国に戻り、バイクファンを作ってくれると思います。もちろん、ホンダドリームカップで戦ったライダーたちも同様だと思います。

 そうやって、バイク好きの種を、スズキとともに世界中に蒔いてくれた加賀山の功績は、大きいなと思うのです。
 今季は、チームカガヤマの浦本修充をスペイン選手権に送り込み、自身は、全日本選手権JSB1000での戦いに挑みます。加賀山の挑戦は、まだまだ終わっていないと思うのです。加賀山の参戦する全日本ロードレース選手権は4月7日・8日に栃木県ツインリンクもてぎで開幕します。JSB1000は、2レース行われます。ぜひ、春うららなもてぎで、熱戦を観戦してください。