2018年JGP3第2戦SUGOで「富沢祥也賞」を獲得した太田虎之進
2018年JGP3第2戦SUGOで「富沢祥也賞」を獲得した太田虎之進
 全日本ロードレース選手権JGP3のポールポジション(PP)を獲得したライダーに贈られる「富沢祥也賞」が、来月7月1日決勝の第5戦茨城県筑波サーキットでも実施されます。

 富沢祥也は1990年12月10日生まれの千葉県出身のライダー。3歳でポケバイに乗り始め、ミニバイク、ロードレースへとステップ。2006年に全日本ロードレース選手権125クラスでデビュー、2009年にはロードレース世界選手権への扉をこじ開けます。

 2010年、250ccクラスに変わりはじまったMoto2の開幕戦カタールGPを見事優勝を飾り、一躍注目ライダーに躍り出ます。世界の舞台で才能を開花させ、第2戦スペインGPではPPからスタートして2位獲得、その後もトップ争いの常連となり、世界チャンピオン獲得の期待を一身に集めることになります。

 走るたびに速さが磨かれて、その様子に世界中のレースファンが声援を送りました。アイドルという表現がぴったりな愛されキャラで、素顔の天然無垢な言動、笑顔、そしてガッツあふれる走りに、誰もが魅了されていたのです。

 ですが、第12戦サンマリノGPで、帰らぬ人となってしまいます。19歳でした。Moto2クラスでは富沢が愛用していた48が永久欠番になりました。追悼セレモニーが行われて、ベストプライベーター賞が贈呈され、みなが彼の死を悼みました。
太田虎之進の走り
太田虎之進の走り
 「富沢祥也賞」は翌2011年から、ご遺族の意思で、富沢を育んだ茨城県筑波サーキットで活躍したライダーにが授与されることになりました。ですが、筑波サーキットでの全日本ロードレース開催が休止されたことで、2012年から全日本開催サーキットのJGP3のPPライダーに「富沢祥也賞」が贈られるようになりました。

 今季2018年の開幕戦となった栃木県ツインリンクもてぎには、富沢の母・有紀子さんが駆けつけ、初PPを獲得した菅原陸(18)が、富沢祥也賞を送りました。

 菅原は「富沢選手には会ったことはなくて、写真やビデオでしか知らないけど、ものすごく速い人というイメージです。まさか、直接お母さんから受け取れるなんて…。ものすごく嬉しいです。大切にします」と恐縮しながら受け取っていました。
太田虎之進
太田虎之進
 JGP3第2戦、宮城県スポーツランドSUGOでは、太田虎之進(20)が初PPを獲得。太田は「初PPも嬉しい。そして、富沢賞も嬉しい。ずっとずっと欲しかった。祥也さんには、小さい頃に、良く遊んでもらっていました。祥也さんも中上(貴晶)さんもいて、もちろん他にもたくさん友達がいたけど、自分にとっては兄ちゃんのようでした。一緒にレースの前後に遊ぶのが楽しくて、サーキットに通っていたんです。いつか追いつきたいって、ずっと思っていました。2人とも世界に出ていったから、自分も頑張らなきゃって思っているんです」と、大きな一歩を踏み出したのです。

 決勝レースでは一時コースアウトしてしまいますが、追い上げて追い上げて8位と、悔しい結果でした。筑波戦ではリベンジを誓っています。
2018年JGP3開幕戦で「富沢祥也賞」を獲得した菅原陸
2018年JGP3開幕戦で「富沢祥也賞」を獲得した菅原陸
 そしてなんと筑波では、世界チャンピオン・坂田和人もJGP3にエントリー!いつも以上の盛り上がりを見せています。もしかしたら坂田も「富沢祥也賞」を狙っているかもしれません。

 有紀子さんは「筑波サーキットではグッズ販売のお店をオープンします。この売上が富沢祥也賞につながっています。ぜひ多くの人にサーキットに足を運んでほしい。グッズも見に来ていただけたら」と声をかけてくれました。

 JGP3には若い力が拮抗して、それはそれは、激しいバトルが見ものです。富沢選手の闘志あふれる走りに追いつくのは簡単なことではありませんが、これからを担う一押しライダーと見つけに来てほしい。そして、どのライダーが富沢祥也賞を掴むのか、ぜひチェックしてください。

 筑波に来られない方は、インターネット「富沢祥也オフィシャルショップ」でも購入できますよ。