ホンダ勢の活躍に大注目
2018年WGP日本GP特別コラム(4)
マルク・マルケス
マルク・マルケス
 ロードレース世界選手権(WGP)第15戦は、初開催となったタイGP、チェン・インターナショナルサーキットで開催されました。モトGPの中上貴晶(26歳)は転倒してしまいましたが、調子は上向きのよう。モト2の長島哲太(25歳)は8位とシングルフィニッシュ、モト3は佐々木歩(18歳)がトップを走りました。インから入ったライダーのマシンがハンドルに当たるアクシデントで転倒してしまいましたが、期待の日本人ライダーたちが、日本GPでは活躍してくれそうです。

 最高潮に盛り上がったモトGPは、今季5度目のポールポジションから好スタートを切ったホンダのマルク・マルケス(25歳・スペイン)が、ホールショットを奪って首位に立ち、ヤマハのバレンティーノ・ロッシ(39歳・イタリア)、ドゥカティのアンドレア・ドヴィツィオーゾ(31歳・イタリア)とトップ争いを繰り広げました。
もてぎでモトGPクラスV3、5度目のチャンピオン獲得なるか?マルク・マルケス
もてぎでモトGPクラスV3、5度目のチャンピオン獲得なるか?マルク・マルケス
 そこに、カル・クラッチロー(32歳・イギリス・ホンダ)、マーベリック・ビニャーレス(23歳・スペイン・ヤマハ)、ヨハン・ザルコ(27歳・フランス・ヤマハ)、アレックス・リンス(22歳・スペイン・スズキ)、そしてダニ・ペドロサ(32歳・スペイン・ホンダ)が続き、8台の激闘に。

 終盤はドヴィツィオーゾとマルケスの一騎打ち、最終ラップで前に出たマルケスをドヴィツィオーゾが最終コーナーで捉えます。このコースは、立ち上がりからチェッカーラインまでが短いので、このまま、ドビジィオーゾ優勝かと思ったら、クロスラインで立ち上がったマルケスが逆転勝利するという絶叫バトルとなりました。

 マルケスが今季7勝目を達成し、271ポイント(P)獲得。ランク2位のドビジィオーゾとの差を77Pとして、日本GPを入れて残り4戦、日本GP終了時に75P差をつけていればタイトル決定のため、モトGPV3、5度目のチャンピオン獲得を日本GPで達成することになりそうです。
今季での引退を表明したダニ・ペドロサ
今季での引退を表明したダニ・ペドロサ
 マルケスの日本GPでのタイトル決定は14年、15年と過去2回あり、「ホンダにとって唯一のホームグランプリなので、最も重要なレース。可能ならここでタイトルを獲得したい」と語っています。各チームのモトGPマシンの戦闘力が拮抗していて、それを選ばれた最高のライダーたちが駆ることで、タイGPでの8台ものトップ争いが示すように、最高峰の戦いは激しさを増しているように思います。きっと日本GPでも、最高峰の名にふさわしい戦いを見せてくれるはず!その戦いの末に、マルケスのタイトル決定の瞬間を見ることができるできるかもしれません。

 そして、第9戦ドイツGPで引退会見を行ったダニ・ペドロサ(ホンダ)。一時はヤマハのサテライトチームに移籍するのでは? という噂も流れ、「走り続けてほしい」「ホンダでキャリアを終わらせてほしい」などといったファンの声が聞かれました、引退記者会見でペドロサは「レーサーになるという子供のころからの夢を叶えることができました。ここまで来られたことは、本当に素晴らしいことでした。世界中のファンのみなさんにも、支えてくれたことを感謝しています。新たな人生を歩みます」と涙で引退を表明しました。
ダニ・ペドロサの走り
ダニ・ペドロサの走り
 身長158cm、体重51kgの小柄な身体でモトGPを操るペドロサ、そのバランス感覚の素晴らしさは誰もが認めるものです。03年にはWGP125cc、04年〜05年にWGP250ccのチャンピオンに輝き、06年からホンダワークスでモトGP参戦開始。ペドロサはスペインの大手通信会社・テレフォニカが支援するグランプリ養成プロジェクト出身で、このオーディションに選ばれたことを、印象深い出来事として語っています。アルベルト・プーチ門下生で、プーチの秘蔵っ子として活躍しました。そして、そのプーチがホンダワークス監督となり、最後はプーチに送られてレース界を去ることになりました。モトGPでは無冠ですが、熱烈なファンが多く、愛されたライダーです。日本GPはペドロサの雄姿を見る最後のチャンスでもあります。
日本人のモトGPライダー中上貴晶の活躍にも期待
日本人のモトGPライダー中上貴晶の活躍にも期待
 また、今季から念願のモトGPライダーとなった中上貴晶(ホンダ)もホームグランプリでの活躍を誓っています。マルケスの5度目となる世界チャンピオン決定、ペドロサのラストラン、モトGPライダーとなった中上の挑戦と見逃せない日本GP、ぜひ、現地で生の迫力を感じて下さい。
中上貴晶
中上貴晶