第42回鈴鹿8耐特集
「Mobius Green(竹内英士撮影)
「Mobius Green(竹内英士撮影)
 元カワサキワークスライダーの多田喜代一氏が監督を務めるチーム「Mobius Green(メビウスグリーン)レーシングチーム」が、今年の鈴鹿8時間耐久ロードレースに参戦します。

 多田と言えばカワサキを代表するライダーで、バイクブームが到来していた80年代後半、多田、宗和孝宏、塚本昭一ら血気盛んなライダーたちを、レジェンドでミスターカワサキ清原明彦氏がコーチとしてまとめていました。多田と宗和で挑んだ1988年鈴鹿8耐は、日本人ペアとして最高位の5位を獲得。この時代、活躍するのは海外勢ばかりで、日本人として力を示したふたりへの評価は高いものでした。

 そのご褒美に鈴鹿市とフランスのル・マン市が姉妹都市になったことで、チームカワサキは翌1989年、ルマン24時間耐久レースに参戦するのです。多田、宗和、塚本の3人がルマンに乗り込み、熱烈な歓迎を受け、そして24時間を戦い抜き、誰もが驚く3位でチェッカーを受けました。日本人3人のライダー構成で表彰台に駆け上がったのは、特別な出来事で、この最高位3位という記録は未だ破られていません。

 3人は豪快に攻め、派手に転んで、カワサキのトラックには替えのカウルが山積みで、ピットは関西弁が飛び交い、いつも賑やかでした。その後、カワサキワークスは独特の存在感を放ち、人気を誇ります。その中心にいた多田さんが、監督として鈴鹿8耐に帰ってきたのです。

 プロジェクトリーダーを務める西窪隆氏が掲げるコンセプトは「オッサン達の夢と希望を乗せて!鈴鹿8耐プロジェクト!」。マシンは、Kawasaki ZX−10RR、タイヤはピレリ、ライダーは中本兄弟(郡、翔)のふたり。白井仁代表のチームで、ベテランメカニックたちが集います。

 西窪は「リターンライダーと呼ばれるオッサンたちに、若かりし頃に見た夢と感動を再び提供するとともに、昨今バイク離れ著しい若年層にも夢を持てる話題作りを命題とし、ロードレースの面白さと楽しさ、またレースのみならずバイクで風を切って走る爽快さを多くの若者に知ってもらいたい」と、このプロジェクトを立ち上げました。才能あふれる中本兄弟を支え、おじさまたちがサポート。おじさんたちの夢を乗せ、戦うことになりました。

 多田監督は「第3ライダーの起用を考えていたが、兄弟ふたりの息のあったコンビで挑んでもらうことにしました。きつい戦いになるでしょうが、お互いの良さを引き出し、最高の結果、総合20位、SSTクラス優勝を目指して頑張ってほしい。できる限りのサポートをする」と誓っています。

 多田が監督として参加することで注目を集める「Mobius Green(メビウスグリーン)レーシングチーム」。中本兄弟の走り、彼らをサポートするスタッフたちの頑張りにも期待が高まります。
中央・左から中本翔、多田喜代一監督、中本郡(竹内英士撮影)
中央・左から中本翔、多田喜代一監督、中本郡(竹内英士撮影)
 ※撮影の時に、ベテランカメラマンが「五木ひろしでぇ〜」(拳を振り上げて歌うので、それを真似てガッツポーズをリクエスト)と声をかけた。「やだぁ、伝わらないよ〜」とみんなを見たら、しっかり拳を振り上げ、五木ひろしポーズをしてくれていました。チームワークばっちりで、こちらも、ベテランカメラマンに負けずに、熟練揃いだなぁ〜と思った次第でした。中本兄弟もしっかりガッツポーズで、微笑ましい撮影でした。