第42回鈴鹿8耐特集
 「Team ATJ with 日本郵便」は、今年から全日本ロードレース選手権JSB1000に参戦を開始した関口太郎(43)を中心に、ST600の若手ライダーとして期待の國峰啄磨(21)と鈴鹿8耐参戦経験豊富な岩田悟(33)の顔合わせ。監督には長年、エースライダーとして「Team ATJ」を引っ張って来た中津原尚宏が監督に就任と、新たに体制での参戦になりました。

 チームの母体はATJ(オートテクニックジャパン)で、「モビリティ社会を支えたい」をコンセプトに四輪・二輪・汎用製品の研究開発・品質保証をサポートするテストプロデュースカンパニー。レースファンには、2014年全日本ST600でチャンピオンを獲得した小林龍太が引退後に入社したことで知られています。

 ATJの社員である中津原は、ライフワークのように鈴鹿8耐参戦を続けており、全日本JSB1000にも参戦、トッププライベーターとして活躍してきましたが、今年は「会社に自己啓発クラブが立ち上がり、レースを通じて経験を積むことを推進する立場になりました」と、チーム運営に乗り出し、監督としてチームを引っ張る立場になったのです。

 そして、自ら立ち上げたチームで活躍する関口に「チーム運営のノウハウを学びたい」と、8耐で助っ人ライダーで合流してもらった縁で、全日本と8耐のライダーを任せることになりました。日本郵便がスポンサードしてくれたことで、全日本ロードST600を日本郵便HondaDream TPから参戦する國峰と岩田がチームに加わりました。
 関口は、全日本のパドックで年上から「太郎ちゃん」、年下から「太郎さん」と慕われ、人望が厚いことで知られています。もちろんライダーとしてトップクラスの実力を保ち続けていることも人気の秘密です。

 2001年に全日本GP250チャンピオンになり、翌年から海外進出、ロードレース世界選手権(WGP)250参戦、2003年にはヨーロッパ選手権GP250で8戦全勝という信じられない記録を打ち立てタイトルを獲得、再びWGP250に復帰。海外で活躍し続け、2008年に帰国。全日本に参戦し、GP250、JGP2のトップ争いの常連として戦い続けます。そして、今年ついにJSB1000への挑戦を開始。開幕戦もてぎでは16位、17位となりますが、第3戦SUGOでは両レース10位となり、ワークス勢に迫り、その実力を発揮します。

 8耐初参戦となる國峰は、大治カップ出身。ハルク・プロホンダの水野涼とは、この頃からの付き合いで、幼馴染のライバルです。國峰は大治郎カップチャンピオン、ミニバイクでもチャンピオンとなるなど、早くから注目されてきた期待のライダーです。2013年には全日本JGP3ランキング2位となり、2014年からFIM CEV MOTO3に参戦、アジアタレントカップでは優勝2回、2位1回、3位1回と、表彰台の常連として活躍、ランキング3位となりました。翌年2015年も全日本とアジアを走り、アジアではランキング2位へと躍進。本来ならモト3で活躍していてもおかしくはない逸材ですが、2016年からは全日本に専念し、トップライダーとして活躍。大排気量のスーパーバイクをどう操るのか、注目を集めています。

 國峰は「全日本の600からの乗り換えなので、まだ探っている状態だけど、しっかり走って、マシンを自分のものにしたい」と語ります。

 岩田は、全日本のトップライダー。近年は8耐を中心に活動を続けてきました。今年は全日本で代役参戦、國峰のチームメイトとして走り、ブランクを感じさせない走りを見せています。この8耐参戦に向け、いい準備ができていることは確か。「戦力になれるように」と誓っています。

 関口は「6位入賞を目指して、しっかり完走し、来年につなげるレースがしたい」と目標設定。プライベートチームとしては高い目標ですが、8耐は何が起こるかわからない戦い。チャンスをがっちりと掴んだものが上位へと浮上してきます。そのチャンスを掴める位置にいることが大切でもあり、百戦錬磨の関口、才能あふれる國峰、実力者の岩田、それをまとめる中津原、それぞれの力をあわせ、どこまで浮上してくるのか期待が集まっています。