第42回鈴鹿8耐特集
赤松孝撮影
赤松孝撮影
 第42回鈴鹿8時間耐久ロードレース参戦チーム「Team MF」は、全日本ロードレース選手権ST600クラスに参戦し、ライダーは奥田教介(24)、高橋英倫が監督を務めるチーム。かつて高橋はトップライダーとして全日本を戦っていました。兄の影響でバイクに乗り始め「兄はレーサーとして世界グランプリに挑戦しました。僕の夢は、その兄を追い抜くこと。そして世界へチャレンジして結果を出すこと」と、果敢にレースに挑み、2011年には自らチームを立ち上げ、全日本JGP2で活躍。2016年には「プロを目指す若手の育成から、バイクを楽しみたい大人まで幅広くレースサポートをする」と、ショップを千葉県にオープンしました。
赤松孝撮影
赤松孝撮影
 その第一期生が奥田です。奥田は小学2年生でポケバイデビュー。ミニバイクへと進み、毎週末サーキットに通い続けますが、どうしたらレースデビューできるのか分からず、黙々と走り続けました。高校3年生になり、受験勉強に専念、難関の千葉大学に合格した2013年に、ライダーオーデションにも合格、サーキットデビューを果たします。

 そして2015年、知人の紹介で高橋に出会うのです。2016年には筑波選手権600全勝と無敵を誇り、2017年に全日本デビュー。開幕戦筑波でポールポジションを獲得し、表彰台に駆け上がった奥田の知名度は一気に跳ね上がりました。この年、ランキング5位となります。

 2018年全日本ST600・SUGOで2位に入り、ランキング9位。今季もST600に参戦し、筑波戦で2位表彰台獲得。また、スポット参戦したアジアロードレース選手権では豪雨となり赤旗が出るコンデションでしたが、再開されたレースで、開幕6連勝と強さを誇るピラポン・ブーンラート(ヤマハ)を追い詰め2位となり、その力を示しました。

 奥田は「全日本ST600はブリヂストンのワンメークですが、アジアはダンロップのワンメークで、レインタイヤの経験がなく、タイヤ特性を探りながらのトップ争いでした。最終ラップのダンロップコーナーでは、ふたりでハイサイドし、転倒しそうになる激しいバトルでした。あと1周あればと思いますが、ギリギリまでセッティングに悩んでのレースで、2位になれたのは幸運だったと思います。それでも、筑波もここも2位なのは悔しい」と、鈴鹿8耐で、納得できるレースをと挑みます。

 昨年は大久保光、アンドリュー・リーと挑み、予選33位、決勝総合19位、SSTクラス2位を獲得。今年は仙台のチームとコラボし、高橋は「2年計画で準備、8耐の決勝を走るという夢を叶えるために、仲間が集まった」とリターンライダーの芦名秀美をメンバーに加え、18歳の伊藤和輝を迎えます。

 伊藤は、大治郎カップ出身で幼少期からバイクに親しみ、全日本デビューも果たしますが、高校進学時にレースを離れ、その後レースに戻ってきた、こちらもリターンライダー。

 今季の全日本第3戦SUGO・ST600に「TeamTJC 中華そば太平楽」から参戦、いきなり予選5番手に食い込み、「いったい何者?」と大きな注目を集めました。「一発タイムだけかも」という声を払拭、トップライダーたちを抑えて決勝でも5位入賞。8耐でその未知数の走りに注目が集まっています。

 今大会は高橋監督のパートナーである高橋知子さんが監督を務めます。知子監督は「みんなで力を合わせてSSTクラス優勝を目指す」と決意。夢を叶えて走る芦名、ライダー復活を決めた伊藤、飛躍を誓う奥田。立場も環境も、それぞれに違う3人のライダーたちが、どんな戦いを見せるのか興味深い。年々、激しくなるSSTクラスのポジション争いを含めて注目です。
赤松孝撮影
赤松孝撮影
赤松孝撮影
赤松孝撮影