夏の思い出第2弾!やっぱり、夏と言えば鈴鹿8時間耐久ロードレースで、今回は「Honda DREAM RT 桜井ホンダ」から参戦した作本輝介のお話です。

 昨年の鈴鹿8耐、チームはホンダのライダー育成にも関わる伊藤真一(鈴鹿8耐で過去7度のポールポジションを獲得、4度の優勝を飾る)が3年ぶりに参戦、濱原颯道と組んで挑みました。しかし、事前のテストでペースの遅いライダーと接触して左手甲を骨折、腫れてしまった手を大きなグローブに押し込み走り、ハンデを抱えながらの力走に賞賛が集まりました。決勝レースでもマシントラブルが発生、チームは一度リタイヤを決めますが、伊藤の走りたいという思いを受け、「うちはバイク屋だから直そう」と一転、エンジン2基をばらして組み替える離れ業を見せてコース復帰。完走扱いとはなりませんでしたが、54位で走り切りました。
 そして今年の鈴鹿8耐、伊藤はリベンジを誓い、JSB1000の濱原颯道、全日本ロードレース選手権JGP2の作本輝介とチームを組みました。過去、桜井ホンダから浦本修充や水野涼も参戦した経験があり、ここでライダーとして大きな成長を見せています。

 伊藤が「将来のホンダワークスライダー」と太鼓判を押す作本は、昨年の鈴鹿8耐事前テストの際、全日本での活躍が認められてワークスチューンのJSB1000に乗せてもらうチャンスを掴みました。このときは初のJSB1000マシンに戸惑っている中でタイムを出す前に転倒、「かなり落ち込みました」と本人は語っていましたが、それでも、Team SuP Dream Hondaからベテランの山口達也、JGP2でチームメイトだった岩戸亮介と組んで初の鈴鹿8耐に参戦でき、トップ10トライアルにも進出し、決勝は24位で終えています。

 今年は2度目の挑戦。全日本デビューからアドバイザーだった伊藤とのペアに、作本もさらに貪欲に学ぶ姿勢を見せていました。
 しかし、伊藤は「濱原は190cmで体重90kg、作本は慎重160cmで体重60kg、このふたりが乗りやすいマシンを作るのは至難の業だ」とテスト初日から頭を抱え、誰もが苦闘しながらの戦いとなりました。

 みなが苦心の末にマシンを作り上げ迎えた鈴鹿8耐本番、作本はチームベストとなるタイム2分9秒4を記録、決勝でも9秒台で周回し、チームに貢献、桜井ホンダは10位でチェッカーを受けました。

 初めてのチームで、普段とは違うJSB1000のマシンに乗って見せた健闘ぶりに、“私の中で今年の鈴鹿8耐MVP”だなと、作本が2分9秒台を叩き出す度に思っていたのでした。
 今季、全日本JGP2クラスに参戦する作本が所属するチーム高武は、先輩に柳川明、宇川徹、加藤大治郎、玉田誠、清成龍一ら錚々たるライダーがいます。玉田は「どんな状況でも8秒台を記録しなきゃダメだ」と後輩に辛口のコメントでしたが、光った走りを見せたことは、認めてくれていたように思います。

 作本は「チームの目標だった10位は入れたのは良かったのですが、目指していたタイムは2分7秒台、まったく届かず、納得できませんでした。偉大な先輩たちに追いつけるよう頑張って行きたい。そのためには速さを見せるしかないと分かっています。この悔しさややりきれなかった気持ちは全日本にぶつけます」と語ります。
 全日本は残り2戦、現在、モリワキドリーム600(2010年モト2チャンピオンマシン)を駆る作本はランキング2位。トップの名越哲平とは1ポイント(P)差、3位には榎戸育寛が3P差で迫り、熾烈なタイトル争いの真っ只中にいます。

 昨年チームメイトだった岩戸亮介はカワサキチームグリーンに迎えられ話題となりましたが、鈴鹿8耐で大排気量も操れることを証明した作本のこれからにも注目が集まっているのです。