佐藤洋美撮影
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 2019−2020年世界耐久選手権(EWC)第2戦が開催されたマレーシア・セパン8時間耐久に、フランスから参戦する「ナショナルモトス」から、大久保光が参戦していました。大久保が2017年に初めてルマン24時間耐久に挑戦したときのチームです。

 ステファン・アダジュ監督が再び大久保を誘い、契約条件の要求を全て飲み、「また大久保と戦えることができて嬉しい」という大歓迎ぶり。大久保も再会を喜んでいました。

 ナショナルモトスは、ホンダの販売店としてフランスで知られたショップが母体。フランス国内開催のルマン24時間とボルドール24時間に参戦し続けてきたチームが、自国開催以外のレースに参戦するのは初めて。その挑戦にかける意気込みが、大久保をライダーに選んだ理由です。もちろんアジア圏のレースであることもひとつですが、大久保の力を評価しての選択です。EWC開幕戦となったボルドール24時間耐久にも他の海外チームから参戦していた大久保。海外でその力が確実に評価されている証です。
EWC提供
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 ナショナルモトスは、大久保とデニス・バレンティン(フランス)のふたり体制で挑みました。走行初日にバイクが間に合わず、2日目からの走行となりましたが、いきなりバレンティンが転倒、メインマシンを壊してしまい、大久保はTカーでのアタックと、ぶっつけ本番の予選となりました。

 結果、チームは18番手で決勝グリッドに並び、雨で大波乱となったレースを走り切り、予選順位と同じ18位でチェッカーとなりました。

 近年のロードレース選手権(WGP)、ワールドスーパーバイク選手権(WSB)はワンメークタイヤが主流ですが、EWCはコンペティションな戦いで、ピレリ、ダンロップの戦いにブリジストンが2017年から参入、しのぎを削っています。ナショナルモトスはダンロップユーザーで、セパン8耐ではダンロップの最高位チームとなり、表彰されました。

 大久保は「バイクに乗り込めず、ペアライダーもなかなかセットを変えてくれない中、ステファン監督が間に入ってくれて、何とか乗れるセットが出たという状態。結果も残念だけど、満足できるライディングはできなかった。最後にダンロップさんに表彰してもらえて良かった」と語りました。
佐藤洋美撮影
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 ルマン24時間に参戦した際は、レギュラーチーム以外での参戦で「少ないけど、初めて契約金をもらった」と初々しい笑顔で語っていた大久保ですが、あれから海外を拠点に活動、たくましさを増していました。

 大久保は、昨年はブセッティ・カワサキからワールドスーパースポーツ世界選手権(WSS)に参戦、予選4番手、決勝4位が最高リザルトで、年間ランキングも5位と、これまでの最高位を獲得しました。今季はPTR・ホンダから参戦します。
佐藤洋美撮影
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 「実は、今季のシートがなく、レースを続けるのは難しいかと思っていたときに、一緒にやっていたスタッフが、大久保ともう一度やりたがっていると友人から聞き、連絡をしてみたら誘ってもらえた」。

 この移籍話は、モスクワのバーで行われていたそうです。大久保はインタナショナルなライダー。日本人はビザの関係で同じ国に長く滞在できないため、帰国するレース関係者が多いのですが、大久保はイギリスに本拠地を置きながら、ウクライナなど東欧を旅したり、趣味の飛行機を見るためにロシアに出かけたりとアクティブ。そこで作られた人脈は、レース活動にも生かされているような気がします。
EWC提供
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 大久保は「EWCも条件が合えば参戦したい。鈴鹿8時間耐久にも参戦したい」と語りました。ぜひ鈴鹿8耐に参戦し、海外で磨かれた走りを、また見せてほしいと願っています。今季の目標は「昨年は安定してシングルフィニッシュでき、もう少しで表彰台というところまできていた。だから、初表彰台、初優勝を目指し、タイトルを狙いたい」と語り、WSS参戦5年目を迎え、さらなる飛躍が期待されているのです。
佐藤洋美撮影
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