第421回
鈴鹿8耐で2回目の優勝を達成した清成龍一は、1週間後にブランズハッチで行われたWSB第10戦イギリス大会で、初優勝と初の完全Vを達成した。第1レースで勝ったときには、「まだ第2レースがあるから・・・」と喜びを封印していたが、第2レースで2連勝を達成すると、8耐の分も含めて3レース分の喜びをかみしめていていた
鈴鹿8耐で2回目の優勝を達成した清成龍一は、1週間後にブランズハッチで行われたWSB第10戦イギリス大会で、初優勝と初の完全Vを達成した。第1レースで勝ったときには、「まだ第2レースがあるから・・・」と喜びを封印していたが、第2レースで2連勝を達成すると、8耐の分も含めて3レース分の喜びをかみしめていていた
 鈴鹿8耐を終えて、休む暇もなく、スーパーバイク世界選手権(WSB)第10戦が行われる英国へと飛んだ。WSBは1日に2レースを戦うが、第1レースでT・ベイリスに競り勝った清成龍一は、「とりあえず勝てたけれど、もう1レースありますからね」と喜びも半分という感じだった。BSBのころも「第1レースで勝っても第2レースで勝てないと喜べない。ひとつしか勝てないのなら第2レースの方がいい」と言っていただけに、とりあえず初優勝の喜びを封印していたが、見事、第2レースも制して2連勝を達成した。

 1週間前には、鈴鹿8耐を制している。それだけでも、「良かった良かった。おめでとう」という気持ちだったが、世界選手権初優勝と初完全Vを見ることが出来て、本当に良かったと思った。仕事仲間の外国人や清成の所属するテンケート・ホンダ、そして清成が昨年まで所属していたUKホンダのスタッフにも「エンドー、来てよかったなあ」と言われた。4カ月近い遠征の旅を終えて日本に帰国。休む間もなく鈴鹿に出かけ、それを終えて、また1週間だけ外国に行くというのは、体力的にも精神的にもかなり過酷なスケジュールだったが、そんな疲れも吹き飛ぶ、素晴らしいレースだった。

 清成はBSBにデビューしてから最初の2年間はブランズハッチを苦手にしていた。しかし、最終戦決着となった06年の最終戦ブランズハッチで優勝&2位になり、見事、BSBのタイトルを獲得している。そして今年は、WSBで2レース完全Vを達成した。

 僕は清成がBSBタイトルを獲得した06年と07年に、タイトル獲得記念としてブランズハッチの4コーナー先の急激な登りこう配でウイリーしている写真をプレゼントしている。06年より07年の方が豪快でカッコ良く、そして、WSBで完全V達成の今年は、一段と力強さが加わっていた。

 長くレースを追いかけていると「ここをうまく走っている時は乗れているとき」という選手たちのバロメーターとなるポイントがある。清成にとってブランズハッチは、4コーナー先のウイリーポイントがそうなのだが、これまでの中で一番の走りだった。

 「また同じ所の写真ですか?」と言われそうだが、素晴らしいレースをした清成に3枚目のパネルをプレゼントしようと思っている。鈴鹿8耐にWSB2連勝。それにしても、勢いに乗ってるときの選手の表情は、ピカピカと光り輝いているなあと思うのだ。(GPライター)

■2008年8月7日掲載
4コーナー先でウイリーする清成龍一。このポイントで撮影した写真をタビビトは毎年清成にプレゼントしていた。ブランズハッチで一番好きな撮影ポイント
4コーナー先でウイリーする清成龍一。このポイントで撮影した写真をタビビトは毎年清成にプレゼントしていた。ブランズハッチで一番好きな撮影ポイント
第1レースはT・ベイリスとの一騎打ちを制して優勝。3位にはM・ビアッジ。二人から同時に「キヨ、速いなあ」と言われ「ええ、まあ・・・」と言っているように見えるのだが・・・
第1レースはT・ベイリスとの一騎打ちを制して優勝。3位にはM・ビアッジ。二人から同時に「キヨ、速いなあ」と言われ「ええ、まあ・・・」と言っているように見えるのだが・・・
第2レースはハガノリこと芳賀紀行との優勝争い。これも制して2連勝達成。だんだん嬉しくなってきた清成龍一・・・という写真である
第2レースはハガノリこと芳賀紀行との優勝争い。これも制して2連勝達成。だんだん嬉しくなってきた清成龍一・・・という写真である


 ブランズハッチはアップダウンに富んだハイスピードコースで、ハガノリこと芳賀紀行、そして最初は苦手にしていたが、清成龍一も得意とするようになった。ドニントンパーク、シルバーストーンといったグランプリサーキットに比べると、やや、安全面などの部分で注文をつけたいサーキットだが、ロンドンの郊外にあって交通の便は良い。イギリスのサーキットは個性溢れるレイアウトが多いが、ブランズハッチは好きなサーキットのひとつである。