第423回
サンマリノGP開幕期間中、ミサノ市内のイベント会場でV・ロッシのヘルメットを始め、ライダーたちのヘルメットなどをデザインするドルーディー氏の展示会が行われ、大勢のファンが見学に訪れていた。その中でも目玉は、まさに、この年(2008年)のイタリアGPでV・ロッシがかぶったスペシャルヘルメット。奇想天外のデザインは大人気だった
サンマリノGP開幕期間中、ミサノ市内のイベント会場でV・ロッシのヘルメットを始め、ライダーたちのヘルメットなどをデザインするドルーディー氏の展示会が行われ、大勢のファンが見学に訪れていた。その中でも目玉は、まさに、この年(2008年)のイタリアGPでV・ロッシがかぶったスペシャルヘルメット。奇想天外のデザインは大人気だった
 サンマリノGPの行われたミサノは、関係者の間でも人気の高いグランプリである。リミニ、リッチョーネ、ミサノ、カトリカと続くアドリア海に面した一帯はイタリアでも有数のリゾート地。ハイシーズンはホテルの料金も高いが、目の前に海が広がり、食べ物がおいしいとなれば、言うことなしである。

 今年はカトリカという海に面した街のホテルに泊まった。ランクは三ツ星。チェックイン早々、通信手段に困ったという話を前回のタビビトノキで書いたが、1週間も泊まっていると、なかなか住み心地はよかった。サーキットの往復も混雑しないし、立地条件はまずまず。料金は1泊95ユーロ(約1万5000円)。円安時代なのでちょっと堪えるが、この一帯のこの時期としては平均的なものだった。

 部屋数は多く宿泊者は家族連れがほとんど。部屋にはWベッドにシングルがあって家族長期滞在型。この一帯はこういう造りのホテルが多いようだ。気のいい夫婦と娘の3人が交代でフロントに立つ。従業員はレストランを含め10人くらいだろうか。世界中どこでも「エンドー」という名はすぐに覚えてくれるが、親子3人はもちろん、従業員も顔を合わせるたび「チャオ、エンドー」と声をかけてくれるようになった。親からもらった名前に感謝するときである。

 家族連れなら、きっと格安なのだろう。いつも満室で経営状態は良好のようだ。そのせいか、よく言えばノンビリ、悪くいえばあまりやる気がない。チェックインしたときに、机の上とベランダの電球が切れていて、洗面所の水が流れず・・・という不具合を指摘したのだが、ベランダの電球は1週間たった今もそのままで、ついにチェックアウトの日を迎えてしまった。

 ベランダの電球なんてどうでもいいじゃないかと思うかもしれない。タビビトも最初はそう思っていたのだが、インターネットにアクセスするのに部屋の中ではワイヤレスのシグナルが弱く、ベランダに出ないとつながらない。いつの間にかベランダがタビビトの仕事部屋になってしまった。電気のない暗いベランダでパソコンの明るい液晶を見ているのはつらいが、1週間も続けていると、不思議なもので、これにも慣れてしまった。

 おまけに、連日、気温30℃を超える暑さが続いているので、ベランダでパソコンに向かっていると、夜風が心地いい。そして、空を見上げれば満天の星空が広がっていて、きらきら輝く星たちからも「チャオ、エンドー」といわれているような気分になってしまったのだ。
(GPライター)

■2008年9月4日掲載
ホンダ・グレッシーニからモトGPクラスに出場の中野真矢のマシンとヘルメットもドルーディー氏の作品。展示会場を訪れた真矢は、「モチベーションがあがりますね」と満面の笑みだった
ホンダ・グレッシーニからモトGPクラスに出場の中野真矢のマシンとヘルメットもドルーディー氏の作品。展示会場を訪れた真矢は、「モチベーションがあがりますね」と満面の笑みだった


 第13戦サンマリノGPを終えて、レプソル・ホンダは、第14戦インディアナポリスGPからD・ペドロサがブリヂストンタイヤを使うと発表した。チームメートのN・ヘイデンはミシュランを継続する。そして、大会が終わった翌日、大会が終わったばかりのミサノで早速初テストが行われ、BS初ライドのペドロサが、非公式ながらもレコードタイムをブレイクする走りを見せた。今年はタイトル獲りの期待が膨らんだが、第10戦ドイツGPでケガをしてタイトル争いから後退。第11戦US・GPを欠場。第12戦チェコGPはミシュラン勢が惨敗に終わったことで、タイヤのスイッチを決断した。これで、ストーナー、ロッシに続き、ペドロサもブリヂストンへ。これがブリヂストンのタイヤ1社供給に向けて、一気に加速する大きなターニングポイントとなった。