インディアナポリス移動は“いいこと”ばかり
第424回
不安定な天候となった2008年スーパーバイク世界選手権(WSB)第11戦ヨーロッパ大会(ドニントンパーク)の決勝第2レース。激しい雨の中、M・ビアッジ(3)、T・ベイリス(21)らを従えてトップを快走する清成龍一(23)。前戦イギリス大会(ブランズハッチ)では完全V。2大会連続となった英国ラウンドで3勝を挙げる大活躍だった
不安定な天候となった2008年スーパーバイク世界選手権(WSB)第11戦ヨーロッパ大会(ドニントンパーク)の決勝第2レース。激しい雨の中、M・ビアッジ(3)、T・ベイリス(21)らを従えてトップを快走する清成龍一(23)。前戦イギリス大会(ブランズハッチ)では完全V。2大会連続となった英国ラウンドで3勝を挙げる大活躍だった
 英国ドニントンパークで行われたスーパーバイク世界選手権(WSB)の取材を終え、ロンドン・ヒースロー空港から10時間、大西洋をひとっ飛びしてシカゴへ。さらに乗り継いでインディアナポリスへ向かった。ヒースローを出発したのは火曜日の昼のこと。シカゴに到着したのは時差もあるので火曜日の夕方。ここで3時間の乗り換え待ちでインディアナポリスに到着したのは夜の9時のことだった。

 初めてグランプリが行われるサーキットへ向かうときはいつもわくわくする。インディアナポリスはどんな旅になるかと思っていたのだが、すこぶる順調だった。荷物の多いタビビト。ヒースローは機内持ち込み荷物の規制が厳しく緊張の一瞬だったが、すんなりとチェックイン終了。おまけにビジネスクラスにアップグレードしてもらい、シカゴからインディアナポリス間に至っては、ファーストとエコノミーしかないので「ファーストにしておきますね」と言われ、思い切りニンマリ。

 今回の旅は“何かいいことありそう”とうれしくなった。こうしてゆったりシートでロンドンからシカゴまで熟睡。さらにシカゴからインディアナポリスまではファーストのシートから沈みいく夕日を優雅に眺めていた。

 思えば、ドニントンパークで行われたWSBは3日連続の雨。かっぱを着てもずぶぬれになるほどの激しい雨が続き、靴はいつもびしょびしょ。もう雨は大丈夫だろうと思ってカッパを脱ぐと、突然激しい雨に降られることもしばしばで、パンツまでぐっしょりの日もあり、今年最悪のレースだった。

 ホテルに帰ってバスタブにお湯を張って冷えた体を温める。翌週のインディアナポリスを考えてバスタブにつかりながら洗濯をする。今大会は清成龍一が今季3勝目を挙げてうれしいレースだったが、青い空を見たい、太陽が見たいと熱望する3日間でもあった。

 そんなレースの後だったのでイギリスからアメリカに渡る旅は「悪いこともあれば、いいこともあるなあ」と実感した。そしてインディアナポリスに着いてもいいことが続いて驚いたのだ。

 初めての街。初めてのホテルなので、この日はタクシーでホテルに向かうことにしていたのだが、空港でサスペンションメーカー「ショーワ」のスタッフに会い、同じホテルだというではないか。そこで迎えの車に便乗させてもらい、なんなくホテル到着と相成ったのだ。

 いやはや……。ここまでいいことが続くのも珍しい。しかもホテルは部屋も広くきれいで、さらにインターネット完備と言うことなし。うまくいくときは何もかも。今週のレースも、うれしいことがありそうだなあと思ってしまったのだ。 (GPライター)

■2008年9月11日掲載
第2レースで表彰台に立った2位のC・クラッチロー(左)、清成龍一(中)、T・コルサー(右)
第2レースで表彰台に立った2位のC・クラッチロー(左)、清成龍一(中)、T・コルサー(右)
イギリス大会で圧倒的な強さを見せてきた芳賀紀行(41)は、第1レースはエンジンブローでリタイヤ。第2レースは、第1レースのエンジンブローとピットに戻った行為が危険とされ第2レースにライドスルーのペナルティ。さらに、そのライドスルーも雨のため視界不良でタイミングを逃し失格と散々のレースだった。加賀山就臣(34)は、第1レース5位。第2レース19位と不安定な天候に翻弄される一日だった
イギリス大会で圧倒的な強さを見せてきた芳賀紀行(41)は、第1レースはエンジンブローでリタイヤ。第2レースは、第1レースのエンジンブローとピットに戻った行為が危険とされ第2レースにライドスルーのペナルティ。さらに、そのライドスルーも雨のため視界不良でタイミングを逃し失格と散々のレースだった。加賀山就臣(34)は、第1レース5位。第2レース19位と不安定な天候に翻弄される一日だった
2008年第11戦ヨーロッパ大会の第2レースのリザルト。32台が出場する大盛況。日本人選手も、清成龍一、芳賀紀行、加賀山就臣、玉田誠、中冨伸一、青山周平、スーパースポーツ世界選手権に藤原克昭が参加していた
2008年第11戦ヨーロッパ大会の第2レースのリザルト。32台が出場する大盛況。日本人選手も、清成龍一、芳賀紀行、加賀山就臣、玉田誠、中冨伸一、青山周平、スーパースポーツ世界選手権に藤原克昭が参加していた


 2008年はスーパーバイク世界選手権(WSB)に日本人選手が大挙出場。対して、ロードレース世界選手権(WGP)は、年々、参加する日本人選手が減少していた。その理由は、日本では若手が育たず、グランプリで活躍した日本人選手たちが厳しい時代の中でグランプリでシートを失い、戦いの場をWSBに移していったこともある。1980年代に起こったバイクブームの中から世界に通用する優秀な選手たちが大勢誕生し、90年代から2000年代初頭に掛けて、大勢の日本人選手が世界に活躍の場を求めていった。80年代のバイクブームの中から育っていった最後の世代の選手たちが、高橋裕紀、そして青山博一&青山周平の青山兄弟だった。写真は初開催のインディアナポリスに到着した高橋裕紀とスタッフたち。思い出深い一枚である。