第426回
前戦インディアナポリスGPで優勝してタイトル王手のV・ロッシ。ツインリンクもてぎは緊張の一戦となったが、ロッシの7年ぶりの優勝で決着した。これで通算8回目のタイトル獲得。チャンピオンTシャツには、「SCUSATE IL RITARDO」と書き込まれていた。意味は、3年ぶりのタイトル獲得となり、「おくれちゃってごめんね。おまたせー」という意味だが、これで日本GPは2年連続でチャンピオン決定戦となった
前戦インディアナポリスGPで優勝してタイトル王手のV・ロッシ。ツインリンクもてぎは緊張の一戦となったが、ロッシの7年ぶりの優勝で決着した。これで通算8回目のタイトル獲得。チャンピオンTシャツには、「SCUSATE IL RITARDO」と書き込まれていた。意味は、3年ぶりのタイトル獲得となり、「おくれちゃってごめんね。おまたせー」という意味だが、これで日本GPは2年連続でチャンピオン決定戦となった
 インディアナポリスでは驚きの連続となったが、帰国翌日、機内持ち込み用のバッグを開けたら、またまたビックリすることになった。このカバンにはカメラ2台とレンズ3本が入っていて、そのうちの一本、500mmの望遠レンズのフードがバッキリと割れていたのだ。

 なんだこれ? どうしたんだと慌ててすべての機材を点検すると、ワイドのズームレンズもフードがレンズにめり込んでいた。恐らく、相当に重たいものが僕のバッグの上に落ちてきたのだろう。そうでなければカーボンファイバー製のフードがこんな風に壊れるわけがない。思えば、インディアナポリスからシカゴまでのフライトで、機内が狭いということで搭乗口でカバンを預けさせられた。その区間でこういうことになったのだろう。

 こういうときのための保険。すぐに事故手続きをと、まずは今回利用した航空会社へ電話するとまずまずの対応。しかし「カバンなど見える部分の破損については補償しますが、中の物については対象外となります」との返答。こんな経験は初めてだったので、そういうものなのかとガックリ。ただし「事故証明は出せますよ」とのことだった。

 数日がすぎて航空会社から事故証明書が届いた。補償はしないけど事故証明は出せるというのはどういうことなのか。事故を証明してくれるのだから補償してくれてもいいのではないかと疑問に思っていたら、届いた事故証明書を見て、ははーんと納得させられた。

 某月某日某便にてカバンの中に入っていたカメラ、レンズが破損していたという届出があったことを証明しますというものだった。つまり、航空会社は、わたくしどもの会社が預かったあなたのカバンの中に入っていた物品が壊れていることは証明してあげるけれど、私どもの会社が壊したどうかは知りませんよ、というものだ。現在、修理点検をカメラ会社のサービスセンターで行っている。どれくらいの料金がかかるのかいまの時点では不明だが、あらためて保険に入っていて良かったなあと思うのだ。

 こういうときのためにバックアップ用のカメラを1台持っている。そのカメラを持って、この1週間、日本GPに向けてのイベント取材に出かけているのだが、普段使っているプロ機と呼ばれるカメラの優秀さをあらためて痛感することになった。画素数も変わらず、写っている写真もそれほど大差はない。しかし、ファインダーをのぞいたときや、シャッターを押したときのフィーリングなど、その精度が格段に違うのだ。

 ワークスマシンと市販レーシングマシンの違いをライダーに尋ねると「馬力の違いはあるけど、それより部品の精度が決定的に違う」と言う。カメラとバイクという違いはあるが、金を掛けるというのは、そういうことなんだなあと実感したのだ。

 最後の最後まで驚かせてくれたインディアナポリスの旅。今週はいよいよタビビトにとっても、一年で一番忙しいホームGPである。(GPライター)

■2008年9月25日掲載
ホームGPに闘志を燃やした中野真矢は、5台による5位争いの中で8位。序盤、転倒寸前の滑りでポジションを落としたが、必死の走りで5位争いに加わった。「やるだけのことはやった」と悔いなしの戦いだった
ホームGPに闘志を燃やした中野真矢は、5台による5位争いの中で8位。序盤、転倒寸前の滑りでポジションを落としたが、必死の走りで5位争いに加わった。「やるだけのことはやった」と悔いなしの戦いだった
ワイルドカードで出場の秋吉耕佑(当時スズキ)は、07年はレギュラー勢に混じって素晴らしい走りを見せたが、08年は予選19番手から決勝に挑み転倒リタイヤだった。フリー走行、予選では元気いっぱいの走りだったが結果につながらなかった
ワイルドカードで出場の秋吉耕佑(当時スズキ)は、07年はレギュラー勢に混じって素晴らしい走りを見せたが、08年は予選19番手から決勝に挑み転倒リタイヤだった。フリー走行、予選では元気いっぱいの走りだったが結果につながらなかった
N・ヘイデンのドゥカティ移籍に伴い、チーム・スコットのA・ドビツィオーゾのHRC入りが日本GPで正式に発表された。この大会では、V・ロッシのチャンピオン決定、09年からモトGPクラスのタイヤが1社供給が決まるなど、話題満載のグランプリだった
N・ヘイデンのドゥカティ移籍に伴い、チーム・スコットのA・ドビツィオーゾのHRC入りが日本GPで正式に発表された。この大会では、V・ロッシのチャンピオン決定、09年からモトGPクラスのタイヤが1社供給が決まるなど、話題満載のグランプリだった


 A・ドビツィオーゾのHRC入りが決まり、チーム・スコットから250ccクラスに参戦していた高橋裕紀がドビツィオーゾの後継としてチーム・スコットからモトGPクラスに参戦することが決まった。喜びに包まれた発表会。06年の大腿骨骨折から見事に復活、モトGPのシートを獲得した高橋裕紀に大きな拍手が送られた。しかし、08年9月15日に米国の投資銀行リーマン・ブラザースが破綻、これが世界的金融危機へと発展していく。高橋裕紀は勿論のこと、グランプリ界にも大きな影響を与えることになった。コスト削減、経費削減の嵐が吹き荒れ、撤退するメーカー、スポンサーが続出と、レース界にとって、大きな試練が待ち受けることになった。