第440回
フルムーンの他にも、新潮社はビヨンド、プラネットフォール、ファー・アウトなど素晴らしい写真集を出版している。日本の書店で物足りないのは、写真集がとても少ないこと。反対にヨーロッパ、アメリカの書店では写真集がたくさんあって、ついつい調子に乗って購入し、持って帰るのが大変だったことも多い。一度読んだ本はなかなか読み返さないが、写真集の良さは何度見ても飽きないことですね
フルムーンの他にも、新潮社はビヨンド、プラネットフォール、ファー・アウトなど素晴らしい写真集を出版している。日本の書店で物足りないのは、写真集がとても少ないこと。反対にヨーロッパ、アメリカの書店では写真集がたくさんあって、ついつい調子に乗って購入し、持って帰るのが大変だったことも多い。一度読んだ本はなかなか読み返さないが、写真集の良さは何度見ても飽きないことですね
 正月早々「フルムーン」(新潮社)という面白い写真集を見つけた。アポロ宇宙飛行士が撮った未公開の写真を集めたもので「人類初の月面着陸から30余年。アポロ宇宙飛行士が目撃した究極の光景は」という帯を見て迷わず購入した。

 それによると、アポロ計画で撮影された写真は、軌道上で自動撮影されたものが1万5000枚、宇宙飛行士が撮ったものが1万7000枚あるのだそうだ。フルムーンはそのうち128枚を掲載している。

 写真集を編集したのは芸術家でカメラマンのマイケル・ライトという人物で、本の中でいろんなことを教えてくれる。そのひとつが宇宙から撮影された地球や月がなぜこんなにきれいなのかという疑問に、こう答えていたからだ。宇宙飛行士が撮影した写真が芸術的に非常にすぐれ、超現実的といえるほどシャープで鮮明なのは、真空状態で撮影されていることがひとつ、そしてもうひとつは、飛行士がカメラの扱い方をよく心得ていたからだと書いていた。

 機材はカメラ好きなら誰もが知っているハッセルブラッドで70mm、もしくは80mmのレンズを使用している。宇宙服を着用した状態でも使えるように改造されているが、宇宙で撮った写真の幻想的な美しさの理由は、言われてみれば当たり前のことなのだが、宇宙が真空状態だということに初めて気づかされたのだ。

 写真の美しさはもちろんのことだが使用しているカメラがうれしかった。5、6年前に僕もハッセルブラッドを買った。並行輸入品で30万円ほどだったと思う。「今ならこの値段ですが、もうこの値段では買えなくなる」と店員に言われ思わず買ってしまったのだが、いま、同じカメラが50万円を超えていることに驚いてしまう。正確には、アポロ飛行士が使っていたものとは違うが、自分とほぼ同じカメラとレンズで30年前にこんな写真を撮っていたことにあらためて喜びを感じた。

 月面着陸から30年。NASAにはアポロ計画以外にも膨大な写真が残されている。それらの記録を残すきっかけはアポロ計画前のマーキュリー計画で初めて軌道飛行した飛行士が安いカメラを自分で買って記録に残そうとしたことから始まったのだそうだ。

 写真を撮り始めて今年で10年。タビビト生活を振り返って何より残念なのは、それ以前の写真があまりないこと。今年はどんな一年になるのだろう。厳しい時代だが、フルムーンを見ていたら、今年は選手や旅の記録などを撮って撮りまくろうと元気が出てきたのである。 (GPライター)

■2009年1月8日掲載



 写真を撮っていると、気温や湿度を常に感じることになります。そして天気が良いときのサーキットでは路面温度が刻々と変わります。ヨーロッパは全般的に湿度が高くないので、かなりクリアな写真を撮ることが出来ます。しかし、陽射しがきついのでどんどん路面温度が上がり、夏の天気が良いときの午後の走行は、こうした陽炎が強烈にでるので難しくなります。これはシルバーストーンの決勝レースですが、その陽炎をいっぱい取り込んで撮影しました。陽炎がきついときは、なるべく高い位置から撮影するのがコツ。そうすると陽炎の影響が少なかったりします。・・・なんてことも経験しないとわからないことですけどね。