<塚本奈々美が聞く>第4回
 今回は、レジェンドライダー武石伸也さんにお話を伺いました。ロードレースライダー武石伸也さんは1991年より全日本ロードレース選手権シリーズや鈴鹿8時間耐久ロードレース(8耐)などで活躍。92年の8耐では日本人初のポールポジション獲得で決勝3位、最高位は2009年の2位。現在はTONE RT SYNCEDGE 4413のアドバイザー兼選手として後進の指導にもあたっています。

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 塚本奈々美「今年1年、チームのレース活動を振り返り、ライダー&アドバイザーそれぞれの立場から感じた事は?」

 武石伸也「アドバイザーは自身が走るよりキツイですね。レースウィーク中は児玉勇太、中本郡の事を常に考えていましたが、なかなか的確なアドバイスが見つからない事も多々あり、私のアドバイザースキルも不足してました。選手としては、8耐を見据えて前半戦は走らせてもらいましたが、昨年に比べ周りが速くなりましたね。ライダーの進歩よりマシンがバージョンアップし、タイヤも進化した物を手にしているライダーがタイムアップしてました。その辺りのマテリアルを手に入れる事ができなかったのは辛かったですね」
 塚本「アドバイザーという仕事の難しいところや喜び、指導されている2人の成長や意識の変化等はいかがでしたか?」

 武石「まず、二人のライダーの走り方や良い部分と悪い部分を把握する事が難しかったです。コースサイドで見ていて感じた事をもとにアドバイスしたり、セッティングする上で間違った方向に向かないようにするのは、自分が乗るより慎重になります。アドバイスし、変化が現れ、ライダーからのコメントが前向きに変化してきたときは、嬉しいですね。二人の変化は成績だけみればまだまだですが、各レースを共ににしていて、シーズン前半から着実に変化してきてます。走り方やセッティングの進め方、レースに対する考え方など、歩みは遅いですが、成長のあとを感じました」
 塚本「ライダーとして8耐トライアウトと8耐決勝を走りましたが、長いシーズンの中で感じた耐久レースの魅力や難しさは?」

 武石「トライアウトは順調にクリアしましたが、SUGO戦でケガをしてしまったのは今年最大のミスですね。8耐までには回復していましたが、時間を費やしてしまいました。やはり8耐には強い思いがあります。チーム一丸となって戦う耐久レースならではの魅力です。瞬間的な速さと、マージンを取りながらレースを展開する事が求められる所も魅力であり、難しい所でもあります。ライダーのメンタルコントロールが最も難しいレースで、今年はまだまだそこが足りなかったようです。8耐ではチームも年々力を付けて、TONE工具の優位性を生かしたピットワークは、他の参加チームが偵察に来るほどの早さでした」
 塚本「TONE工具の優位性は、私も観ていてよく解りました。最後に、来年に向けての課題や目標をお聞かせ下さい」

 武石「今年の成績はチームの実力と受けとめ、不足している部分をどのように補うか?マシンもタイヤもライダースキルも、レース界では維持しているだけでは後退と同じですので、然るべき改善策を考えていきたいと思います。スポンサー名に恥じないレースができるように日々考えて行きます。ぜひ来季も応援よろしくお願いします。塚本さんにもぜひまた8耐に来てもらいたいですね。」

 塚本「もちろん、応援しますよ。私も女子カート部の部長として、後進を育てることの難しさを知っていますので、武石さんのお話には大変共感を覚えました。もうひとつの共通点として、武石さんも私もアイウエアブランド<アイメトリクス>さんにサポート頂いているんですよね。お互いプロとしてスポンサーさんの期待に応えられる走りをしたいものです。今日はありがとうございました。1月のオートサロンでまたお会いできること、楽しみにしています」