第36回
 月曜夜、お世話になっている自転車レーシング・チーム「宇都宮ブリッツェン」のメンバーと、先日のジャパンカップなど今年を振り返るという名目で、都内某所で会食を約束していた。楽しみにしていたのだが、何と遅刻。ちょっと慌てながらお店のドアを開けた。

 何の身構えもなくドアを開けたのだが、いきなり拍手喝さいと笑いに迎えられた。「あれれ? 何かなー? どっきり?」なんて思っていると、聞きなれたうちの社員の声で「片山右京さん、到着でーす!」のアナウンス。

 事情が全くつかめないまま会場の中央に出ると周囲は何だか見慣れた顔ばかり。「宇都宮ブリッツェン」の人々はもちろんのこと、インターマックスの今中大介さんの姿も見えるし、チャレンジ・スクールのサポート・メンバーの顔も……。

 どうやら仲間が仕込んでくれたサプライズで、この年末年始に行く南極最高峰ビンソンマシフ(4897m)遠征の壮行会というわけだ。

 かん口令が出ていたようで、毎週のように電話連絡をする友人も全員がだんまりを決め込んでいたらしい。すっかりだまされた。

 拍手の中を会場の中央に出て行った僕は、周囲を敵に囲まれた侍みたいだったかもしれない。さてそんな友人のうれしいサプライズは、飲み放題の大騒ぎ。

 途中、部門別の関係者紹介をやって、自転車部門のあいさつではブリッツェンの辻善光選手が激励なのかどうか全く不明だが、全身の筋肉を披露。モータースポーツ部門では今年のパリダカにトヨタオートボデーから出場する寺田昌弘選手がゴール地点での合流を約束。勢いに乗って、僕が戻ってきてからの企画でブリッツェン・メンバーとチーム右京のモータースポーツ部門のカート対決企画がその場で決まった。

 そして、うちの社員の息子さんらによる高校生ダンサーズのダンスがパーティーに花を添えてくれた。

 さらにサプライズは続いて、何と安田大サーカスの安田裕己団長が登場! 翌日が舞台本番だというのにわざわざ駆けつけてくれたのだ。

 他にも先日のアジア大会自転車ロードレース銀メダリスト・宮澤崇史選手も来てくれた。普段はあまりお酒を飲まないのだが、あまりの楽しさについついビールを何杯も飲んでしまった。

 それにしても本当に大勢の友人たちが集まってくれた。すべての人が今の僕を支えてくれている。そして僕も友人を少しでも勇気付けられたらと思っている。本当にありがとう。楽しい夜だった。(レーシング・ドライバー&冒険家)