第116回
 梅雨入りした関東。そんなはっきりしない空模様の17日に、チャレンジスクール丹沢(塔ノ岳)トレッキングを「決行」した。この丹沢トレッキングはチーム右京創設時からやっていて、チャレンジスクールの原点とも言えるイベント。これまで、雪が残る早春に山頂を目指したり、かんかん照りの中で体力の限界に挑んだり、たくさんの子供たちと一緒に登ってきた。

 今年もチャレンジスクールの名にふさわしく、雨というコンディションでの文字通り「決行」だった。そういえば、僕が覚えているかぎり、雨のチャレンジスクールというのは初めて。スタッフにとってもひとつのチャレンジだった。

 このスクールは毎回、ちょっとした試練や背伸びを準備している。ただ、それが無謀であってはいけない。特に自然を相手にする場合、予想外のことが起きたりする。まして、参加者はいわゆる素人さん。体力もさまざま、当日の体調もいろいろとある。天気予報で雨が降るだろうことは予想していたから、事前にスタッフと代替ルートや撤退ルートなどを綿密に決めて当日を迎えた。

 当日の朝、集合時刻の段階でかなりあやしい雲行き。今にも泣きだしそうな空の下で開校式をやって、さあ登ろうっていう時にパラパラ。慌ててポンチョやかっぱを着て登山を開始した。

 梅雨のトレッキングは、気温も比較的高めで雨具を身に着けているので、体力消耗が早い。僕らは登頂をあきらめて、比較的楽な尾根を縦走するルートに変更した。それでも雨のトレッキングは自分との闘い。「もうお家に帰りたいよー」という気持ちが、自分の中に去来する。

 そりゃあ、家でテレビでも見ていた方が楽ちんさ。でもね、雨の日は雨の中を、風の日は風の中を歩くというのは、本当は自然なこと。心が乾かなければ、どんなところも歩いて行けるものだ。そして、雨が降るから水も飲めるし、草花も育つ。森に降る雨は生き物の源だ。そんなことを丹沢の中で体感できた僕らは、むしろラッキーだ。

 下山後、気が付くと雨具やリュックにヒルがたくさん付いていた。この季節の丹沢はヒルが多いからね。みんな「うわーっ」なんて騒ぎながら笑顔で払い落とし、写真を撮ったりしてヒルに出会ったことを喜んだ。こんな体験は東京でふつうに生活していたらあり得ない。今回のチャレンジスクールも楽しかったよ。みんなありがとう!(Team UKYO代表)