第126回
 東京でも夕方以降は少し涼しくなってきた。確実に季節が進んで秋の気配を感じる。そしてより緯度の高い北海道の空気はすでに秋だった。この3連休、僕は「ツール・ド・北海道2012」で旭川市にいた。このレースは1987年から開催されて、今年で実に26回目。歴史ある大会にふさわしく、宇都宮ブリッツェンやシマノレーシングチーム、チームNIPPOといった国内強豪チームを始め、海外からもクラブチームが参戦。われらがチーム右京は、その強豪たちに挑戦する立場で参戦した。

 結果は正直厳しいものだった。初日にはパンクで出遅れた選手がいて必死に追い上げたが、彼は結局のところ失格。チームも集団でゴールした。その後の2日間も、常に集団の中でレースをする展開だった。勝負に出ることができなかった。初年度の経験値の無さなのか、リスクヘッジとその逆に突っ込んでいくところの感覚が、まだチームとして成長過程ということだろう。ただ、チームとしての闘争心や結束力はこの1年を通して、レースごとに強くなってきている。今はひたすら、今できる最大限のことをするのみだ。

 実は今回、僕自身もわがままを聞いてもらって、市民レースに3日間フルに参加した。初日のクリテリウムは59人中8位。2日目の107キロのロードレースは69人中14位。そして最終日のタイムトライアルは49人中17位で、常に上位に食い下がることができた。総合成績でも94人中29位で、今の自分としては上出来だったと思う。でも、後半の体力を考えて先頭を追わなかったり、逆に上り坂で頑張りすぎて前を追うどころか足が棒になったりした。これも結局は、経験値の無さからくる判断ミス。後で体力が切れることや前の選手に離されることへの恐怖心や強迫観念が、僕にそうさせるのだろう。

 それでも、今できることを精いっぱいやって経験値を積み重ねていけば、必ず良いことがあるはず。僕や僕のチームの自転車キャリアはまだ浅い。新しいことに挑戦して成功するには、過去の栄光や成功は傍らに置いて、チーム全員が頑張らねばいけない。

 同じことをパラリンピックのザナルディを見て思った。同じ時代にF1を走った友人が、別の分野で世界の頂点に立った。しかもパラリンピックというのは、並大抵のことではない。彼の情熱と勇気に敬意を表するとともに、今の自分が置かれている状況が重なって見えた。今日も、自分が今できる最大限を尽くそうと思った。(Team UKYO代表)