第127回
 最近の活動のひとつに「大人の自転車部」という集まりがある。大人だから「無理をせず自分のペースで楽しく」という気軽な活動で、結果を追い求めるチーム右京のプロチームとは全く趣が違っている。すでにメンバーは700人を超え、メンバー全員が集まれば催しさえできる人数になった。

 この「大人の自転車部」で、関東地方の「自転車好きのメッカ」とも言えるヤビツ峠に行ってきた。もちろん、全員が集まれるわけではなく、そこは“集まれる人だけ”という大人の緩いしばり。趣旨も緩くてタイムも追求したりしないし、自転車も何を持ってきてもかまわない。ロードバイクもあればMTBもあり、なんと電動アシスト付き自転車でヤビツ峠に挑戦するメンバーもいた。そんな雰囲気なので、「のんびり行きましょうよ〜」などとみんな言っていたのだが、一度登ると闘争心に火がついてしまうのだろうか。「次は負けませんよー」「もっとタイムを詰めよう!」とみんな2回目に挑戦。ノリの良さに終始圧倒された。「大人の自転車部」ではなく、「大人のふりをした子供の自転車部」の方が正しいのかもしれない。それならば、次回からはもっとヘロヘロになれる内容にしてしまおう。

 さて、この「大人の自転車部」。メンバーが持参した自転車もさまざまだったが、年齢はもとより職業や会社、役職も千差万別。蛇足だが自動車に関わる仕事の人がやや多いように思う。僕が呼びかけたこともあるだろうが、F1ドライバーが自転車をトレーニングに取り入れていたり、ランニングよりも身体への機械的負荷が低いことが関係していそうだ。

 この多種多様な素性の人たちが、一緒に汗を流して風を受け、同じ場所に腰をおろしてにぎり飯を食う。そして、自然と名刺交換が始まって異業種交流が始まる。さらに、終わったあとで写真データや地元の名産を互いに送りあった人たちもいる。

 これまで別々の人生を歩いてきた大人が、自転車を通じて時間をともにし、日本人固有の「気遣い」でつながりを広げる。はやりのTwitterやFacebookなどソーシャルメディアは、劇的なスピードとボリュームで交際範囲を広げてくれるが、一方で実際に会って同じ時間を過ごすこコミュニケーションは、親密さが生まれやすい。そしてそこで生まれた関係は、友達というより仲間なのだと思う。また近いうちに「大人の自転車部」で遊びに行くので、リア充が欲しい方はご参加を。(Team UKYO代表)