第128回
 いよいよ今週末は、F1ファンにとって年中行事の日本GPだ。1年ぶりにF1が鈴鹿サーキットへ戻ってくる。現地観戦、TV観戦、インターネット観戦と観戦方法はいろいろだが、どんな観戦方法でも自国開催のF1はわくわくする気持ちが違う。

 さて、鈴鹿の季節が来るということはタイトル争いが気になる時期だ。今季はアロンソが他を一歩リードして、残りレースでポイント差をコントロールできる立場にいる。しかし、マクラーレンがハンガリーGP以降連続してポールを獲得していることや、レッドブルも速さを取り戻してきたこと、そして残り6レースもあることを考えると、ハミルトンとベッテルにも数字上だけでなく、チャンスが十分にある。

 加えて未勝利だがランキング3位のライコネンも要注意で、勝負をかけてくるだろう。ダークホースかもしれない。

 過去にも数字上の可能性があるドライバーが数人いるシーズンはあったが、今シーズンのように実際にタイトル争いが混沌(こんとん)とすることはめったにない。この混戦はピレリタイヤの特性が影響している。

 「がけから落ちるようだ」と言われる急激なグリップダウン。アロンソのリードは、このタイヤ特性をライバル達よりもいち早く理解し、パフォーマンスを引き出したことにあると思う。そしてマクラーレンやレッドブルのようなトップチームが、そこをキャッチアップしてきたのが最近の流れ。鈴鹿はタイトル争いの終盤に向けて、まさに三つどもえの決戦になるはずだ。

 そして、鈴鹿といえばやはり可夢偉だ。僕ら日本人の悲願「日本人F1ドライバーの優勝」を見たい。これは、中嶋(悟)さんに始まる日本人レギュラードライバーが受け継いできた思いであり、F1にかかわってきたあらゆる日本人の悲願。大げさではなく、正直に言って今季の可夢偉にはそれを達成するポテンシャルがある。

 タイヤマネジメントがうまくいって、いくつかの幸運さえあれば可能性はある。鈴鹿と同じ高速コースのシルバーストーンやスパで見せたスピードから考えても、ザウバーは鈴鹿にマッチする。さらにスタンドで日の丸が打ち振られる鈴鹿は、日本人ドライバーにとって特別だ。

 本人がどうコメントするか分からないが、期するものはあるはず。確かに流れは良くない。度重なる不運もあった。しかし、その分を取り戻すツキが母国グランプリには来ると信じたい。今年の鈴鹿が、日本のF1史に残るレースになることを祈念する。 (Team UKYO代表)