第132回
 まだJAFグランプリが残っているが、スーパーGT選手権としての2012シーズンが終わった。今季は2台体制で連覇を目指したが、結果はチームランキングで0号車が4位。そして4号車は15位だった。残念だが2年連続のタイトルは取れなかった。全ては「タラレバ」で語れる。マレーシアではコーナー3つ残して止まってしまった。鈴鹿でも素晴らしく速くて、あのままぶっちぎって勝てるはずだった。本当に悔しい。

 負けはしたが、エンジン性能調整という大きなハンディがあったにも関わらず、チームは素晴らしい戦いをしたと思う。勝負する力と権利は十分にあった。少しついてなかっただけだ。あるいはハンディを乗り越えるために、何かのバランスが崩れたのかもしれない。いずれにせよ、チームはタイトルを獲った昨シーズンよりも高いレベルで1年間を戦った。

 まず、0号車のドライバーふたりは文句なしのプロフェッショナルだった。タイヤ無交換など厳しい作戦を高い次元で実行した。お世辞抜きに、彼らふたりと同じレベルのドライバーは少ない。4号車の若いふたりの成長も著しかった。後半になるとスピードも出てきた。そして全レース完走という結果は、きっと来年につながるだろう。メカニックをはじめとする全スタッフも、前を向いて勝つことだけを考えて最大限の努力をしていた。本当に休む間もなく知恵を絞った。チームはチャンピオンチームでありながら、毎レース成長したと思う。

 僕自身も初めて監督という仕事に就き、いろいろと勉強をした1年だった。TV解説で客観的にコメントするのと、現場で感情だとかチームの空気だとかに左右されながらふるう采配は時として異なる。レースは常に動いているから、それが正しいこともあれば間違えることもある。ただ、自分の判断が若いドライバーふたりの未来に影響することを思うと、その責任は本当に重かった。

 レースの世界は、良いことばかりではない。どちらかと言えば、うまくいかないことの方が多い。それでもここに集まる人はみんなポジティブ。悔しさをバネにする力がみなぎっている。僕はそんなレースが大好きだ。

 今シーズンの締めくくりはJAFグランプリ。1年間応援してくださった方々のために、JAFグランプリも全力で勝ちにいく。実は僕も久しぶりにレジェンドカップでステアリングを握る。大先輩達が相手だから簡単には勝てないだろうが、楽しみにしている。(Team UKYO代表)