第133回
 国内最大級のスポーツ自転車見本市とも言える「サイクルモード・インターナショナル2012」が幕張メッセであった。自転車本体はもちろんパーツメーカーやサプリメントなど、ありとあらゆる自転車関係のものが一堂に集まった。大勢の来場者で会場はごったがえしていて、あらためて自転車の人気を感じた。その会場で、僕らのチーム「Team UKYO」は、今中大介さんのインターマックスのブースに参加。そして今回、新しく現日本チャンピオンでありスペインで活躍していた土井雪広選手のチーム加入を発表した。

 「Team UKYO」の自転車プロチームが発足して8カ月。初年度の活動を振り返りながら、2年目の飛躍を目指して戦力強化をしたいと画策していた。ちょうどジャパンカップ出場がかなわなかったころだが、世界という舞台を目指して結成したチームにはやはり世界を知る人材が必要だと思っていた。

 さらに欲を言えば、タイトルをとるという目標を達成した選手に来てほしかった。その経験によって、勝つ方法論やトレーニング方法、さらに精神的なものがチーム内に波及するからだ。土井選手は僕の考えるトップ選手の条件を100%満たしている。

 おそらくこの加入は周囲にとって驚きだっただろう。そして、今のチームメンバーにとってはカンフル剤であり余計なプレッシャーからの解放にもなる。とくにこれまでエースとしてチームを引っ張ってきた辻には、大きな支えにもなるだろう。

 昔の話になるが、僕がティレルからミナルディに移籍した時、僕もチームから似たような期待をされた。ミナルディの家庭的な雰囲気を大事にしつつ、ティレルの良いところをチームに持ち込む仕事。僕はドライバーだったが、チームリーダーとして働いた。僕の働きが十分だったか自信は無いが、少なくともヤルノ(トゥルーリ)はそこで育って羽ばたいた。だから、チャンピオン土井選手の存在は単なる戦力強化にとどまらず、チーム全体を良い方向に向けてくれるはずだ。

 「Team UKYO」の自転車プロチームは、年齢も同じで同時期にヨーロッパで世界の頂点を目指して戦った今中さんとの夢だ。このチームで世界に再び打って出る。僕らには実績も実力もまだ足りない。そんな僕らの夢物語を現実にするために、スポンサー企業をはじめいろいろな方のお世話になっている。今回の土井選手の加入も僕ひとりの力では成し得なかった。僕の夢はみんなの夢。だから、今回の戦力強化で安堵(あんど)せず、さらに研さんを続けたい。(Team UKYO代表)