第136回
 僕個人にとって1年間の自転車活動の締め括りであり、年中行事とも言える「ツールド沖縄」に今年も参加してきた。僕の出場した「市民レース210km」は、市民レースといえ、実力的にはプロとしても通用するレベルの選手達が集まるレース。その過酷なレースでどれくらい自分が頑張れるか? それが僕の毎年の総決算になっている。

 今回、結果は振るわなかったが後悔はしていないし、むしろ練習は嘘(うそ)をつかないという自信を持ったレースだった。というのは途中140km地点まではトップグループでレースできていたからだ。けして無理やむちゃのオーバーペースで突っ込んだわけではなく、残り70kmでの展開を考える余裕すらあった。ところが、体調が急激に変化してペースダウン。全く身体が言うことを聞かない状態になった。

 単純に足が疲れたとか気力が切れたとか、そういうレベルではなく、身体の自由がきかないような状況だった。そのため下りのコーナーではコースアウトして側溝に落ちそうになるし、直線でも真っすぐこげない。どんどんペースが落ちて、後方集団に飲み込まれて順位も急落。「楽な方向に自分が落ちてないか?」などと自分を叱咤(しった)しながら、それでもなんとか、まさに気力を振り絞って完走だけした。

 こんなことは初めてだった。これまでも、足がつったり体力の限界がきたり、パンクなどのアクシデントで順位を落とすことはあった。それでもフラフラになるようなことは無かった。おそらく調整不足か、レース中の糖質補給の失敗が原因。それとも普段のオーバーワークか? しかし、それも実力のうちだ。いろいろなことが反省材料としてはあるが、後悔はしていない。たしかにトップグループに食らいつかず、中段グループで走って確実に上位フィニッシュする方法もあっただろう。でも、自分を守って勝負しないことの方が僕にとっては恥ずかしい。そして、そんなレースだったら後悔しただろう。

 僕はいつも人生の分岐点に立った時、常にチャレンジングな方を選択してきた。もちろん、無理やむちゃはしない。思いつく限りのリスクヘッジをしながら、挑戦してきたと思っている。その結果が、良くも悪くも今の自分。これから先もおそらくそうだろう。とはいえ確実に歳はくっているわけで、老いと抗(あらが)う必要がある。このことを忘れずに、また一年間頑張ろうと思う。そして、また今年も「ツールド沖縄」に行く時間をつくってくれた会社や関係者に感謝したい。(Team UKYO代表)