第138回
 NPO活動を紹介する「市民活動フェスタ」のトークライブで、岐阜の大垣市と中津川に行ってきた。折しもの寒波でとても寒かったが、たくさんの方々が集まって下さった。終わった後もいろんな団体の方々とお話をしたかったが時間が許さず、後ろ髪を引かれる思いで、駅のホームで立ち食い蕎麦(そば)を掻きこんで帰りの列車に飛び乗った。雪の舞う中で食った蕎麦がじんわり美味(うま)かった。

 今さらな話だが不景気の昨今、NPOは活動予算が厳しいところが多い。もともとの予算が潤沢ではないうえに、政権交代で補助金の支給基準が見直されたり、今回の解散で政治空白ができると予定が狂いはじめる。さらに企業からの支援も最近はそれほど期待できず、そういうしわ寄せが最終的に現場に落ちてくる。

 NPOの支援を必要とする人たちに接する現場は、いつも厳しい。仮に予算が少なくなっても、そこに放っておけない人たちがいて、助けたい気持ちがあるから簡単にコストダウンや省力化はできない。もちろん無駄なものや過剰なものは見直すとしても、とくに福祉にまつわるようなNPOは、人が相手だから手を抜くわけにはいかない。人として「予算が無いので」と逃げるわけにいかない。

 そして今回気がついたのだが、一つ一つのNPOの活動は一見別々のように見えて、まるでパズルのピースのように互いが関連している。たとえば、介護支援の一方で介護する人をケアする活動があり、アトピー治療を直接的に支援する人もいればアトピーが原因のいじめに向き合う人たちもいる。何かがなくなると全体として機能しなくなるから、それぞれの活動は簡単にやめられない。

 NPOにとって政府からの補助金は大切だが、そればかりを当てにしていては何もできなくなる。たしかに金は必要だ。でも、金が全てではないし金があっても志が無ければ物事はうまく行かない。幸いにして、世の中には本当に困っている人を助ける意識の高い人が大勢いる。

 そういう人は現場から逃げない。そして優しくて強い。僕も来年は50歳。親も歳をとった。F1という派手で格好良い世界に身を置いてはいたが、普通の市民生活をしている。つまり現場側の人間だ。現実をしっかりとみつめて、もっと優しく強く意識を高く持とうと思った。(Team UKYO代表)