第139回
 この週末はツアーの添乗員みたいなことをやった。いつもの僕は他人に連れていってもらう立場で、自分のマネジャーやイベントの主催者さんから「次はここ」「その次はここです」と言われて行動するので、逆の立場というのはあまり経験が無い。少し戸惑いを感じつつ、30〜40歳代の元気な女性ばかり20人を相手に一日添乗員として頑張った。目的は伊勢市で開催された女性限定の自転車ロードレースへの参加。Facebookで参加者を募ったら反響が大きく、ツアーのようになったというわけだ。

 それにしても、送り迎えまで含めて他人様のイベント参加をサポートするのは大変。20人という人数だから、サービスエリアでご飯をみんなで食べるのもひと苦労。荷物の積み込みだってよく考えないとちゃんと積めない。おまけにそれぞれがいろいろな場所から集まっているから、帰りに終電の時間も考える気配りが必要。人に頼まれて安請け合いしたとはいえ、責任はある。

 せっかく僕の声かけに応えて参加してくれた美女達に不快な思いはさせたくないし、荷物はもちろん移動中は命すら預かっているわけで、責任ある添乗員として精いっぱい頑張らさせてもらった。それでも、計画性、確認、気遣い、先を考える力、下調べにあいさつ、僕は社会人としてダメなところばかり。まだまだ勉強だ。

 さて、肝心のロードレース。「なでしこロードレースイン伊勢」と言って、開通前の伊勢南北幹線道路のまっさらなコースを走るという趣向。冒頭に書いたように女性限定のレースで、普段ロードレース会場は男性が多いのだが、この日ばかりは女性たちが主役だった。

 メンバーはそれぞれのレースを闘ったのだが、帰路のバスの中はいろんな思いが入り交じった。頑張ったと胸を張れる人、逆に悔しい思いでいっぱいの人。思いはいろいろだが、それでも僕らのバスは東京に向かって走った。それで良いんだ。誇りに思える日も、そうでない日も全て意味がある。そして、一日添乗員として貴重な体験をした僕にとっても、大きな意味のある1日だったと思う。

 最近は街で見ていても、女性のロードレーサーも増えてきたようだ。だから、今回のような女性限定のレースが開催されることは不思議でも何でもなく、おそらく今後増えるだろう。そして、レースに参加した女性たちの笑顔を見ると、道具としてのママチャリとは別世界の自転車が、女性たちの間で市民権を得る日もそう遠くないように思えた。(Team UKYO代表)