第141回
 正月休み期間中に風邪をひいてしまった。久しぶりにゆっくりしたせいかもしれない。どうやら僕には休息は合わないようだ。というわけで、今シーズンに向けた自転車チームの合宿を年明け早々に行った。新しい戦力も加わって、今年を飛躍の年とするべくチームが一丸となって走った。お世辞抜きに新年早々チームの雰囲気は良い。

 一方で自転車のロードレースを取り巻く社会環境は相変わらず厳しい。たとえば、次代を担うジュニア選手たちが少ないことだ。そもそも学校体育の種目でないため部活にしている学校が少なく、自転車レースに触れる機会もあまりない。そして始めたくても安全な練習場所は身近に無く、指導者も周りにいない。これはモータースポーツと共通する悩みで、自転車も自動車も身の回りの道具として存在するが、文化やスポーツとして認知が低いことが影響している。事実モータースポーツもF1は認知されているが、他カテゴリーやジュニア選手が競うカートはあまり知られていない。

 それでもまだモータースポーツは、F1という分かりやすい象徴がある。そして小林可夢偉の名前と、鈴鹿での3位表彰台くらいはみんなが知っている。しかし、自転車はそうはいかない。レースのTV放送もほとんど無く、ジャパンカップやヨーロッパで日本人が活躍しても専門媒体以外はほとんど取り上げない。お茶の間の話題にもならない。自転車で話題になるとしたら、オリンピック競技で日本人が活躍する競輪と健康スポーツとしてのサイクリング、そして痛ましい事故くらいだ。

 実際に道交法改正時と比べて、メディアが自転車を扱う機会が減った。そしてあれだけ注意喚起の報道がなされたにもかかわらず、無灯火や歩道を走る人々、信号無視や右側走行も多く、街中を走っていてヒヤリとする。道具としてあまりに当たり前で、歩行者の延長上にある感覚だから、危険を予測できないのだろう。

 信号無視や無灯火を徹底的に取り締まることもやってほしいが、普段から家庭で自転車のことを話す、つまり日常の話題に自転車が上るような環境が必要だと思う。そうすれば自然と自転車マナーも向上するだろう。そのためには、もっとメディアに自転車を取り上げてほしい。とくに、厳格なルールに従って互いにリスペクトしながら競うロードレースは、良質な素材になると思う。そして、僕らも去年以上の結果を出してメディアに露出し、ロードレースの認知向上と自転車マナー向上に貢献していきたい。(Team UKYO代表)