第143回
 「1月は行く、2月は逃げる、3月は去る」と言うが、実際のところ年が明けると新しいシーズンの開幕まで、それほど時間が残されていない。2月にはもう新しい体制を発足させ、3月からスタートする活動もあるから、本当に仕事に忙殺されている。そういう中でいろいろな方々とお話をする機会が多いのだが、その中で示唆に富んだ話を聞いて、新たなモチベーションが湧いている。特に誰もが知っている「うさぎとカメ」の昔話で、ウサギが負けた理由の分析は本当に目からウロコが落ちた。カメはちゃんとゴールを見ていたのだが、一方のウサギはカメのことを見て競走したから失敗したと…。なるほど。思わず膝をたたいて納得してしまうほど、ふに落ちた。もしウサギがのろのろと歩くカメを見なければ、そのまま一気にゴールしていたかもしれない。逆にカメは一心不乱だったというわけだ。

 確かに、他人との比較で物事を進めようとすると、目標や目的を見失って失敗することがよくある。そして僕のように競争という世界に身を置いていると、どうしても他人との差や比較で物事を測りやすい。たとえば本当はひたすら速く走りたかっただけなのに他人との差(勝ち負け)ばかり気にして本来やるべきことを見失う。そうなると速く走ることの楽しさすら忘れてしまい気が付いたらライバルに出し抜かれる。そういうことは世の中でもたくさんある。

 結局、こつこつやっている人が強いのは、いつの時代も同じだ。ちょうど受験シーズンだが、英語の単語を毎日一つずつ覚えたり、くる日もくる日も歴史年表を眺め続けた子は力がある。例えは悪いかもしれないが僕は貯金箱を置いていて、毎日ポケットに残っている小銭を入れている。これが結構ばかにならない。100円玉を毎日入れていたら、いつの間にかまとまったお金になっていて助かったことがある。これも毎日のちょっとずつが形になったものだ。そして、日々のトレーニングや練習も嘘(うそ)をつかない。山も歩いていれば山頂に着く。

 チームも同じことが言える。メンバーがチームの目標を共有し、自分にできることをやれば必ず成長できる。仮に日々の進歩は見えなくても、1年後には大きく成長しているものだ。そしてメンバーが代替わりしても、チームの目標を継承すればさらに強くなれる。成功のためには周りを気にせず、目標を見据えて努力をこつこつ永く続けることが大切だ。(Team UKYO代表)