完走は自分へのけじめだった
第11戦イギリスGP編
つらい60周を終え、マシンを降りる琢磨。当然のことながらその顔は厳しい表情だった(カメラ=松本浩明)
つらい60周を終え、マシンを降りる琢磨。当然のことながらその顔は厳しい表情だった(カメラ=松本浩明)
 予選8番手、K・ライコネン(マクラーレン)の降格で繰り上がって7番グリッドという好位置を得た佐藤琢磨(28)=BARホンダ=。マシンの仕上がりは良かっただけに今季初ポイントの可能性は十分あったのだが、スタート前になんとまさかのストップ……。ファンのため息のなか、周回遅れで再スタートして完走はしたものの、自らのミスが招いた結果に、琢磨は平身低頭。反省の弁をじっくり聞いてやろうではないか。

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 ――フォーメーション・ラップの最終コーナーで止まってしまいました

 佐藤琢磨「ええ、フォーメーション・ラップで、いつも通りタイヤのウオームアップをしていたんです。トラクション・コントールを切ってタイヤをホイールスピンさせたりとか、スタートに向けていろんな手順があるんですけど、ボクのボタンの操作ミスでその手順を単純に間違えて、エンジンが止まってしまったという状態でした」

 ――エンジンの再始動に手間取って1周遅れで戦列に復帰

 「たしかに(エンジン再始動に)てこずった部分もあったんですけど、ああいう状況の中で、ボクをレースに送り戻してくれたチームの全員に感謝したい。スタートに向けての操作方法の手順をもう一度見直して、今後こういうことが起きないようにしていきたいです。とにかくボクのミスでこんなことになってしまったので、本当に申し訳なく思ってます」

 ――走り始めてから気持ちを切り替えるのに大変だったのでは?

 「ボクをレースに送り戻してくれたスタッフ全員のためにもいいレースをしたかったし、世界中で応援してくれるファンのためにもいいレースしたかった。それに自分へのけじめの意味もあって、最後までいいレースをしたかった」

 ――ピットに押し戻されてからチームは燃料を足して1回ピット・ストップに戦略を変えましたね

 「そうです。ほとんど満タンまで燃料を足して、1回目給油まで長めのスティントの2ストップだったのを1ストップに切り替えて走ったわけですけど、そういうなかではタイヤもなんとか持ちこたえられました。ピット・ストップ戦略を変えてもいいペースで走れるクルマにセットアップできていたので、1回ピット・ストップは予定外でしたけど、最終的に結果につながらなくて本当に残念に思ってます」

 ――走り始めてからチェッカーまでのペースは悪くなかった

 「他のレースカーのタイムを見てみないとなんともいえませんけど、何台か抜いてこれましたね。今日はもともと給油戦略的にもけっこう燃料積んでいて、ポイントを獲得できる可能性は大いにありました。金曜日に電気系トラブルが出たり、ものすごいアンダーステアになってたり、土曜日午前中にニュータイヤランができなかったりとかいろいろあったんですけど、予選から決勝に向けてのクルマ造りはベストを尽くしたと思います。これからコンスタントにポイントを積み重ねることができると思うし、そのあたりは次のグランプリにつなげて行きたいなと思います。ミスのないよう頑張ります、応援してください」(聞き手=モータースポーツ・ジャーナリスト・西山平夫)