父親になっても変わらぬ情熱
第13戦ハンガリーGP編
ペースが上がったり下がったり。高温の路面で苦しい戦いをしのいだ琢磨(カメラ=松本浩明)
ペースが上がったり下がったり。高温の路面で苦しい戦いをしのいだ琢磨(カメラ=松本浩明)
 アクシデント続きの佐藤琢磨(28)=BARホンダ=だったが、ハンガリーGPでついに今季初入賞、8位でフィニッシュした。クラッシュ多発の荒れた展開だったが、とにかく慎重に走り、完走を目指したという。しゃく熱のハンガロリンク300kmの激闘を振り返る。

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 ――汗だくですね、お疲れさま。まずは今季初入賞の感想を

 佐藤琢磨「夏休みに入る前にちゃんとレースができたというか(笑)、次につながる1戦だったと思います。これをいい機会にして夏休み後はガンガンいきたいですね」

 ――やっと取った1点

 「重たい1点ですね。ただ、1点とか8位という順位よりも、まずはここでキチッと完走、入賞したってことが自分にとっては大切でした」

 ――スタートもよかった

 「滑りやすいイン側グリッドだったんですけど、なんとか抜かれもせず抜きもせず1コーナーには入って行ったんですが、ブレーキングで前見えないくらいホコリがすごかった。バトン(BARホンダ)に近づいてたので、本当は行きたくなかったんですけどコーナーの内側に入った。今日は絶対リスクを避けたかったので、抜いていくというよりも回避するというような感じ。アクシデントがあったみたいでパーツが散乱してたんですけどなんとかうまく抜け、2コーナーでルーベンス(バリチェロ=フェラーリ)とやり合って前に出て、1周目は少し順位を上げて帰ってこれました」

 ――オープニング・ラップを無事に(!?)7番手で帰ってきました

 「久しぶりだったので『よかった!』って感じ(笑)。バトンとボクの目の前でアロンソ(ルノー)が最終コーナーの2つ前まで壊れたフロント・ウイングを引きずってて、ターン11に入っていく時にバーンとパーツが吹っ飛んだ。あれを避けるのが怖かったですね。パンクはいちばん避けたかった」

 ――8番手から7番手に順位を上げましたが、その後ペース伸びなかったですね

 「序盤はグリップ感なくてかなり苦しく、残念ながらあんまりペース上げられなかった。でもガソリンが軽くなって来てちょっとペースが戻りました。セカンド・スティントに行く時にかなりガソリンを積んで、その後はラップ・タイム良くなっていったんですけど、最初のウオームアップ含めてグリップ感がいまいちでしたね。けっこう厳しかったです」

 ――マシン全体のグリップ不足?

 「トラクションのかかりが良くなかったし、アンダーステアも出ていてフロントも滑っていたんです。ただ、レース後半苦しくなるだろうなと思ったので、あまり無理しないで、タイヤを傷めないようにと思って走ってました」

 ――終盤はどうでした?

 「ペース上げたせいかもしれませんが、サード・スティントに入ってからは特にリアの落ち込みが厳しかった。今回ボクらはプライム(ハード)タイヤ選んで、気温も高かったのでいいかなと思ったんですけど、オプション(ソフト)でもよかったみたいですね。タイヤの選択は今後の課題です」

 ――レース後、コントロールタワーに呼ばれたのですか?

 「いやいや。体重をちゃんと計ったかなぁ? と思って(笑)。計ってました。2kg落ちてましたが、そのうちの1.5kg(リットル)くらいは汗でした」

 ――暑かった?

 「走っててけっこう暑かった。ペダル・ボックスのなかがやけどしそうで。ドリンクも熱くなるし、ヘルメットのバイザー開けてても風あんまり感じないし。バーレーンと比べたらフィジカル的にはこっちの方がキツいでしょうね。バーレーンはドライで、唇が乾いちゃう。暑さではマレーシアが間違いなく一番キツいでしょう」

 ――終盤、後ろからフィジケラ(ルノー)が来ていましたが、気になったでしょう

 「ペースは多少向こうの方が良かったし、フィジケラにトラブルかミスかなにがあったか分からないですけど、間隔が縮まったり伸びたりしてたんでキツかった。でも、ボクも前を追っかけていたし、来たら抑えるつもりだったし、ガマンガマンのレースでした。フィジケラを抑えられたのは大事なポイントだと思います」

 ――夏休みはどう過ごすんですか?

 「イギリスからモナコに引っ越しをします。それから、今日ここでみなさんにひとつご報告というか、うれしいお知らせがあるんです。これまで長くボクを支えてくれてたパートナーの彼女との間に子供ができました。出産は12月中旬の予定です。いま自分のHPでファンに向けてメッセージを送ったところです。父親になっても変わらぬ情熱をF1にブツけて行きたいと思うので、これからもよろしくお願いします!」(聞き手=モータースポーツジャーナリスト・西山平夫)