逃げ場なくホイールもロック
第16戦ベルギーGP編
M・シューマッハーに追突し、そろってコースアウト。ノーズをつ突き合わせてストップした(カメラ=松本浩明)
M・シューマッハーに追突し、そろってコースアウト。ノーズをつ突き合わせてストップした(カメラ=松本浩明)
 10番グリッドから追い上げて、6番手を走行していた佐藤琢磨(28)=BARホンダ=。入賞は確実と思われたが、気まぐれなスパ・ウエザーにほんろうされ、タイヤ・チョイスを誤ってポジション・ダウン。おまけにミハエル・シューマッハー(36)=フェラーリ=に追突してリタイアし、次戦ブラジルGPで10グリッド降格のペナルティーを科せられてしまった。レース後の表情も心なし元気がなかったようで……。

            ◇     ◇     ◇

 ――スタートから振り返ってください

 佐藤琢磨「スターティング・グリッドが滑りやすいイン側ということもあってあまりダッシュが利かず、動き出しはみんなと同じくらいでしたね」

 ――しかし、その後がすごかった

 「1コーナーのブレーキングで大外からウェーバー(ウィリアムズ)を抜いて、オー・ルージュでバトン(BAR)も抜きました。バックストレッチ・エンドではマッサ(ザウバー)をパス。その後、バス・ストップ・シケインでラルフ(シューマッハー=トヨタ)を抜いたんです。その際、コーナーを真っすぐ行ってちょっとコースオフしましたが、いいペースで帰ってこれましたね」

 ――10番手から6番手にジャンプアップ! 数周するとバトン以下に差を広げていきました

 「ただ、マシンはオーバーステア(舵角以上にマシンが内側に巻き込む状態)が強くて、ちょっと大変でした」

 ――それでも10周目までに7番手に上がってきたフィジケラ(ルノー)に4秒以上の差をつけていました

 「1回目ピット・ストップまでクルマの手応えは悪くはなかったですよ」

 ――フィジケラのクラッシュでセーフティーカーが出て、11周目にピットイン。しかし翌周またピットに戻りましたね

 「履き替えたドライ・タイヤがグリップしなくて、またウエット・タイヤに戻さざるを得なかったんです。最初にピットインする前からチームと無線でタイヤをどうするという連絡をしていて、ボクはコースが乾いて見えたのでドライでいけると思ったのですが、実際にはドライ・タイヤに替えるには早すぎて、全然グリップしませんでしたね」

 ――11番手でコースに戻った後、14周目の1コーナーでM・シューマッハーに追突したわけですが、どんな状況だったんですか?

 「リスタート直後のストレートで、シューマッハーとボクと2人でジョーダンを抜きにかかっていたのですが、1コーナー手前でボクは右横にピット・ウオール、左横にジョーダン、前にシューマッハーというふうに囲まれ、まったく行き場を失ってしまったんです。それにシューマッハーが驚くほど早くブレーキを踏んで、それに反応してボクもブレーキをかけたのですが間に合わず、左に逃げたかったのですがフロント・ホイールがロックアップしてしまってかじが利かず、接触してしまった」

 ――コックピットから降りてきたシューマッハーが何か言っているように見えましたが

 「まわりの雑音もひどくて聞こえませんでした。怒っているのは分かりましたが、それは当然のことと思います」

 ――アクシデントの後、コントロールタワー(競技審議)に呼ばれましたね

 「ええ、でもその場では問題なかった」

 ――6番手を走っていたレースだけにもったいないですね

 「いいレースができていたし、クルマの手応えもあっただけにリザルトにつながらなかったのは残念で悔しいですね。残り3レース頑張ります。応援してください!」(聞き手=モータースポーツ・ジャーナリスト・西山平夫)