気持ち整えて中国GPへ
第18戦日本GP編
いろいろ批判はあるが、めげない琢磨。ファンに手を振って声援に感謝していた(カメラ=松本浩明)
いろいろ批判はあるが、めげない琢磨。ファンに手を振って声援に感謝していた(カメラ=松本浩明)
 波乱の日本GP――。佐藤琢磨(28)に関しては連日の報道で詳細をお伝えしてきたが、この「夢舞台」ではあらためてレース直後の生々しい琢磨の声をお届けする。1コーナーでのコース・アウト、シケインのJ・トゥルーリ(トヨタ)との接触劇など、当事者の琢磨はその時どんなことを感じたのか、じっくりお楽しみください。

           ◇     ◇      ◇

 ――スタートから振り返ってください

 佐藤琢磨「出だし自体はそんなに良くもなく悪くもなくという感じだったんです。まず1台、たぶんクルサード(レッドブル)だったと思うんですが、フライングに近いようなスタートでボクの目の前に入って来ました。その後もう1台のレッドブルのクリエンとサイド・バイ・サイドのまま1コーナーに入っていって、ボクがアウトだったんですけど、その時接触したかどうかはよく分かりません。相手とすごく近かったんですが、クルマがまっすぐ進むだけでまったくコーナーの方に向いていかないんですよ」

 ――ものすごいアンダーステアのように見えました

 「それで1コーナーのずいぶん外側を回るかたちになって、片輪が縁石を越えてしまった。その時にルーベンス(バリチェロ=フェラーリ=)が目の前に出て来て、ボクは避けるようにしたんですがフロント・ホイールがぶつかって、マシンが完全にグラベルの方に向かっていきました。ビックリしました」

 ――衝撃は?

 「ルーベンスと当たってフロント・ノーズがボ〜ンと外へ動きましたから、それなりの衝撃だったと思います」

 ――右のフロント・ウイングが外れたようですね

 「クルマがダメージ受けたことはたしかで、セーフティーカーが入るまでに少し順位を上げていたんですけれども、チームからの指示でピットに戻ってノーズを換えるとともに給油もしました。実質的にワン・ストップに近い状態の給油にしたんですが、その後ペース上がらなくて、非常にきびしい展開でした」

 ――鈴鹿は重量がラップ・タイムに影響する度合いが大きいといいますから、1回ピット・ストップは燃料が多くてキツイ……

 「前日の予選が不安定な状態だったので、通常の2ストップよりは1回目給油の時期を遅らせるような戦略で燃料をかなり積んでいたんですけれども、それよりもっと給油時期を先に延ばした方がいいだろうという判断の下にワン・ストップにしました。けど、もともとペースがあんまりよくなかったので、さらに重いクルマになって非常にきびしかったです」

 ――たしかにタイムも伸びなかった

 「ハンドリングは満足いく状態じゃなかったです。クルマにグリップ感がなくて、燃料が減ってクルマが軽くなっていっても、あんまりペースが上がらなかった。単独走行がずっと多くてつらかったですね」

 ――10周目のシケインでトゥルーリと接触しました

 「ええ。シケインはトゥルーリが前でボクが後ろから狙う形で、非常に近かった。130Rコーナー出口はボクの方が速くて、トゥルーリのスリップストリームに入って、彼はブロック・ラインを取って相当内側に来た。その時にはボクもかなり内側にいてブレーキングも開始してたんですが、そのままスペースがなくなって接触という形になったんです」

 ――この接触でハンドリングへの影響は?

 「トゥルーリと当たった時はピッタリ吸い付く形だったのでショックはなかった。ただ、1コーナーの接触でもダメージがあったし、シケインでの接触でも多少ボディー・パーツが破損していました。とはいってもハンドリングが大きく変わったらリタイアせざるを得ないんで、そんなに影響はなかったと思います」

 ――レース後、トゥルーリと話しましたか?

 「はい、どういう状況でこうなったのかということをガレージで話しましたけど、お互い納得がいってない状態ですから。彼は彼なりの意見があるし、いまのところスチュワード(審査委員会)に呼ばれていないし、チームからの指示も届いていないので、様子をみないと分かりません」(その後、失格判定が出された)

 ――週末を振り返ってどうですか?

 「金曜、土曜のプラクティスも悪くなく、予選も上位グリッドにつけられたことで、1回くらいは幸運が来てもいいかなという気持ちはあったのですけれど、続かなかったですね。ファンにこれだけの声援を受けて望み通りの結果につなげられなかったのは非常に残念です」

 ――残り1戦になりますけど

 「今週末は本当にきびしい結果になってしまいましたけど、とにかくこのままで終わりたくない。もう一度カムバックしたいので、気持ちを整えて最終戦に挑みたいです。応援してください」(聞き手=モータースポーツ・ジャーナリスト・西山平夫)