琢磨収穫の連続完走
苦闘しながらも今季5回目の入賞を果たした琢磨(カメラ=松本浩明)
苦闘しながらも今季5回目の入賞を果たした琢磨(カメラ=松本浩明)
 3番グリッドという絶好の位置を得たハンガリーの佐藤琢磨(27)=BARホンダ=だったが、スタートでフェルナンド・アロンソ(22)=ルノー=にパスされ、後続にも先に行かれて8番手に落ちて万事休す。一時抜きどころのないハンガロリンクで苦戦を余儀なくされた。それでもメゲずに70周のレースを耐え抜き、チームメートのジェンソン・バトン(24)とともに5、6位に入賞。2台そろってトラブルが出なかったのは幸いで、残り5戦に希望をつないだ。

■タイヤにホコリが

 ――今季3回目の3番グリッドからのスタート。

 佐藤琢磨「グリッドからの出足はいつも通りっていうか、最悪じゃなかったけど良くはないって感じで、2番手のバリチェロにも置いて行かれたし、後ろからアロンソが来ました」

 ――アロンソは琢磨選手の背後から右に飛んで1コーナーのインを取った。

 「警戒はしていたし、ボクも動いたんですけど前に出られたので1コーナーでアウトからかぶせたんですが、ラインの外側だったのでそこでタイヤがホコリを拾ってしまったんです」

 ――タイヤにホコリが付着すると?

 「タイヤが滑ってしまってトラクション(けん引力)がかからないんです。それでモントヤに2コーナーで並ばれ、次の3コーナーは2台で入って行けないので譲ったんですが、そこでまたホコリを拾ってしまって……。下りストレートでバトン、4コーナーのイン側ではトゥルーリに抜かれ、出口でもたついてる間にライコネンも行ってしまった。つらいオープニングラップでしたね」

 ――3位から8位にドロップしたわけですが、仮に4位で1コーナーに入っていったらその後どう展開したでしょう?

 「それはすぐには分かりません。ラップチャートを分析してみないと」

 ――その後のマシンの調子は?

■食らいつけたのに

 「悪くなかったですね。特に1回目ピットストップの後はいいペースで走れましたから、気を取り直し、前に4位モントヤ、バトン、トゥルーリの3台が見えて来たので食らいついて行きました。ばん回できたと思います」

 ――序盤にライコネンがリタイア、トゥルーリを2回目ピットストップで逆転して6位に浮上。しかし中盤以降はウィリアムズBMWを駆るピッツォニアに追い上げられ苦しそうに見えたんですが。

 「実は途中からエンジンのオイルポンプが故障してしまって、ピットからの指示でステアリングについているオイルポンプのオン・オフ・ボタンを操作したり、最後の10周はエンジン回転を落としたりしてたんです。普段のレースなら2回くらいしか押さないボタンを100回くらい押しまくりましたよ(笑)」

 ――オイルポンプのトラブルは第2戦マレーシアでバトンに出てたもの。下手をするとエンジンが焼きついてしまう。

■無理できなかった

 「ミクスチャー(燃料と空気の混合比率)をしょっちゅう変えたり、シフトチェンジの時にエンジンがカットされないようにコンピューターをキャンセルしたり、エンジンの負担を少なくするために5速ギアのところですぐ6速ギアにショートシフトしたり、けっこう忙しかった。特に3コーナーとか11コーナーといった高速コーナーで無理するといけないんでゆっくり走ったり」

 ――ピッツォニアは1秒を切るところまで迫ってましたが、不安は?

 「それはコントロールできてましたから大丈夫。ただ、右側のミラーがスタート後すぐになくなってしまったのでちょっと困りましたけど」

 ――前戦ドイツでベルトから外れかかったハンズ(HANS=頭けい部保護装置)の具合は?

 「完全じゃなかったけど、悪くなかったですよ」

 ――2戦連続完走ですね。

 「つらくて悔しいレースでしたけど、アメリカのあと低迷気味だったチームのパフォーマンスも戻って来たので、今日は収穫があったと思います」

 ――次戦はスパフランコルシャン。

■スパは頑張ります

 「2002年以来2年ぶりですが、スパもボクもまたF1に戻って来ました。天候の心配はありますが、頑張ります。応援してください!」(聞き手=モータースポーツジャーナリスト・西山平夫)
スタンドには夏休みを利用してハンガリーまで応援に来たファンが(カメラ=松本浩明)
スタンドには夏休みを利用してハンガリーまで応援に来たファンが(カメラ=松本浩明)