ゴールできなかったけど次につながる
第3戦バーレーンGP編
決勝に挑む琢磨。バーレーンの高熱対策はばっちりのはずだったが、ブレーキが音を上げた(カメラ=松本浩明)
決勝に挑む琢磨。バーレーンの高熱対策はばっちりのはずだったが、ブレーキが音を上げた(カメラ=松本浩明)
 原因不明の熱病が癒えて、バーレーンでは元気な顔を見せた佐藤琢磨(28)=BARホンダ。予選13番手から臨んだ決勝では持ち味のアグレッシブなレースを展開した。結果はブレーキトラブルでリタイアになったが、開幕戦とはひと味違う戦闘力を見せて、今後に期待をつないだ。自身「これが開幕戦」というしゃく熱のバトルの顛末(てんまつ)は――。

 ――開幕戦は1回目クラッシュ、マレーシアは病欠で今年の予選システムでまともにアタックしたのは今回が初めてでした

 佐藤琢磨「2回目にニュータイヤじゃないタイヤで走るというのは不思議な感じでしたね。1回目の予選については軽いクルマでニュータイヤっていうのはいつでも楽しいものだし、新車007はテストも含めて1回もガソリン抜いて走ったことがなかったから、それが今回できただけでもいい経験になったと思います」

 ――2回目予選でコースをはみ出しました

 「ハイスピードターンのところでものすごいアンダーステアが出た。日曜朝のクオリファイはボクらとしても新たな経験だったので、うまく合わせていけなかったかな。予選までは全然踏めなかったんです、高速コーナーは。ただ順位がそれほど変わらなかったのでそれは不幸中の幸い。クリーンサイドからのスタートだったので、決勝にすべてをかけたんですけど」

 ――タイムロスは?

 「1秒ですね。コーナーだけだったら0・4秒のロスですけど、その後のコーナーからストレートにかけてスピードが落ちたので、トータルでは1秒くらいのロス」

 ――13番手からオープニングラップは11番手にジャンプ。そのストレートでデラロサ、バトンをまとめて抜いて9番手に。3周目から8番手にと一気にポイント圏内まで順位を上げ、1回目ピットストップは3番手。しかし27周でブレーキトラブルでリタイアでした

 「最初のピットストップまではいい感じで順位を上げていったのですが、7〜8周目あたりからまず右のブレーキからこれは異常かな?と思うくらいのダスト(カーボンファイバー製ブレーキディスクの摩耗カス)が出始めた。15周過ぎから左側も厳しくなり、ピットストップが終わってからはダストの煙の出方が尋常じゃなくて、すぐにダメになった」

 ――デラロサ、バリチェロを抑えまくっていましたが、フィニッシュしていればポイント圏内もかなり上の方だったんじゃないですか?

 「ブレーキトラブルが起きたのは仕方ない。でも、チームはピットストップでいい仕事してくれたし、久しぶりにバトルを楽しめたし、あのままゴールできてればよかったんですけど、次のイモラにはつながるレースでした」

 ――2戦して結果が出ません

 「自分にとってはこのレースが開幕戦みたいな感じで、予選も初めてできたし、少しずつ手応えはつかめてきてるので、このあと2週間テストに入りますけど、新しい空力のアップデートキットも来るだろうし、イモラはもういちど仕切り直しといきたいですね」

 ――クルマのパフォーマンスに関しては?

 「そんなに悪くないと思う。ずっと後続を抑えているばかりでしたけど、抜かれないで踏ん張れたし、ペース的にも前のクルマにすごい勢いで置いていかれたわけじゃなく見える範囲で走ってたので、あのままキッチリと走っていれば入賞圏内にいけたと思う。低速域に入った時のブレーキング時のリアのスタビリティーとトラクションがかなり厳しくて、前半から苦しかったんですけど、中速域から高速域にかけては予選2回目にあったようなアンダーステアも解決されて、いい感じで乗れてました。それだけにフィニッシュできなかったのは残念ですね。でも大丈夫、ヨーロッパラウンドに入って巻き返しますから。応援してください!」

(聞き手=モータースポーツジャーナリスト・西山平夫)