今週は復活ニュル…お待たせしました
出場停止2戦目、傷心のモナコGP編
モナコ港の前にたたずむ琢磨。乗りたくても乗ることができない−。つらい試練だった(カメラ=松本浩明)
モナコ港の前にたたずむ琢磨。乗りたくても乗ることができない−。つらい試練だった(カメラ=松本浩明)
 2戦の“謹慎”が解けて、やっと佐藤琢磨(28)=BARホンダ=がF1に帰ってくる。待ち遠しかった復帰戦は、今週行われる第7戦ヨーロッパGPだ。モナコに顔を出した琢磨は決勝を見ずに英国に帰国し、レースを映すテレビ画面を見る悔しさを味わった。だがもう吹っ切れた。気持ちはグランプリの舞台となるニュルブルクリンク(ドイツ)に集中している。満を持して決戦に臨む琢磨の心境は――。

    ◇     ◇     ◇

 ――モナコの現地に行ってたんですか?

 佐藤琢磨「ええ、自分の出ないグランプリは行きたくなかったんですが、ゲストの方と話したり、写真を撮ったり、サインするスポンサー関係の仕事があったので、金曜日夜から日曜日のお昼までモナコにいました」

 ――TVでレースは見ましたか?

 「見ましたが、モナコからイギリスに着いてTVをつけたらレースの途中だったので、スタートと前半は見ていません」

 ――感想は?

 「ルノーがタイヤに苦しんでいたのは意外でした。おそらく彼らも(レースを)やってみなければ分からないってことでスタートしたんでしょうが、いちばんタイヤにやさしいマシンと自他ともに認めるルノーが摩耗に苦しんだのは予想外でしたね」

 ――勝ったマクラーレンについては?

 「途中でアクシデントもあり、セーフティーカーが出たようなのでレースビデオをもう一度見直してみないとハッキリしたことは言えませんが、マクラーレンは予選からスピードもあったし、楽に勝てたんじゃないですか。ボクはシーズン前から今年はマクラーレンとルノーが強いよと言ってたんですが、序盤のマクラーレンは性能に見合った結果が出てなかっただけだと思うんですよ。信頼性も高くなりましたね」

 ――その他のチームを見ての感想は? ウィリアムズが2、3位でした

 「フェラーリはレース中のラップ・タイムは悪くなかったですけど、予選のワン・ラップのタイムが良くないとモナコでは厳しいという傾向が顕著に出ていた。ウィリアムズは2台が表彰台に上りましたが、彼らとボクらは開幕戦からパフォーマンスは互角でしたから、似たようなレースができたと思います。そう考えると惜しいレース、悔しいグランプリでした」

 ――ところで、スペインGPの後にポールリカール(フランス)でテストしましたね

 「3日間の予定で、初日はショートコースを使ってモナコ用のタイヤ・コンパウンドのテストをエンリケ(ベルノルディ)とアンソニー(デビッドソン)がやりました。この時点ではまだ『もしかしたらモナコに出られるかも……』という可能性もあったので一応走ったのですが、2日目のモナコ用テストは不参加でテスト制限日数を節約しました。3日目はロングコースでボクとジェンソン(バトン)がニュルブルクリンクとモントリオール(カナダGP)用タイヤ・テスト。スペイン前のムジェロ(イタリア)テストでバルセロナ(スペインGP)用のエアロ・パッケージをインストールしたんですが、少しモディファイしたものを次のニュルで使うので、それも試しました」

 ――そのテストでは燃料タンクは従来と同じもので走ったんですか?

 「同じものです。チームからはニュルも同じものを使うと聞いてます」

 ――ニュルでは予選方式が変わるとのうわさがありますね

 「現行方式ではなく、最初からみんなが平等な予選方式に変わってくれるとうれしいんですけどね。いろんなアイデアがあるらしいですから、変わるにしてもどんな方式になるか、それが問題です」(このあと国際自動車連盟=FIA=から予選方式の変更が正式発表された)

 ――ニュルは3戦ぶりのレースです

 「何か変な感じです。バルセロナは気分が悪かったですが、突然のことなのでしょうがなかった。でもモナコは完全にアウトサイダーというか外野に置かれたわけで、初めての経験でしたがイヤな気分でしたね。スタンドからF1マシンが走るのを観たくはなかった」

 ――ニュルで走るのを一番待っていたのは琢磨さん本人、そしてファンだと思います

 「待つのももう限界でした。ファンの方たちにも永かったと思いますが、数日後にはニュルでマシンに乗ってます。ここまで来たら過去のことは気にしないで走りに集中します。お待たせしましたがニュルで復活します。楽しみに見てください!」(聞き手=モータースポーツジャーナリスト・西山平夫)