今年もメルセデス僚友対決
2016年第17戦日本GP開幕特集
3年連続の“ニコハミ対決はロズベルグ(右)が一歩リードだが、勝負は最後まで分からない=ハンガリーGPで(メルセデス提供)
3年連続の“ニコハミ対決はロズベルグ(右)が一歩リードだが、勝負は最後まで分からない=ハンガリーGPで(メルセデス提供)
 メルセデスの2人によるチャンピオン争いはがぜん面白くなった。2連覇王者のルイス・ハミルトン(31)=英国=が前戦マレーシア(2日)でまさかのエンジントラブルに見舞われてリタイア。チームメートでランキング首位のニコ・ロズベルグ(31)=ドイツ=が23ポイントのアドバンテージを持って日本GP(9日決勝、三重県・鈴鹿サーキット)を迎える。初タイトルに挑むロズベルグに3連覇を狙うハミルトン。終盤戦の大一番、鈴鹿で火花を散らす。

 3年連続で2人のマッチレースが繰り広げられているが、今年は少し様子が違う。ロズベルグが初めてランキング首位で日本GPを迎えることになった。

 「この先何が起こるか分かったものではない。これまで通り、やり方を変えるつもりはない。鈴鹿では再びクルマに乗り、勝利を目指すだけ」。チームメートであり、最大のライバルを襲った不運でリードを広げられたが、鈴鹿を含めた残り5戦でもこれまでと変わらぬアプローチを続ける覚悟だ。

 ハミルトンがタイトルを獲得した過去2年は、精神的な部分も含めて激しい戦いは繰り広げていたが、日本GPまでには何となく状況は落ち着いていた。最後まで一進一退の大接戦となった2014年も、日本GP前のシンガポールGPで首位に立ったハミルトンが逃げ切っている。そんな過去の流れを考えれば、ロズベルグが初戴冠する可能性は日増しに高くなっている。

 ただし、ハミルトンは自他ともに認めるファイター。逆境になればなるほど力を発揮する。トップ快走中にエンジンが壊れたマレーシアでも「僕は絶対に諦めない。プッシュし続ける」と直後に言い切った。自分のエンジンばかりが壊れる状況に一時は疑心暗鬼になったが、失いかけたチームとの信頼関係も修復でき、たとえ自力チャンピオンの目がなくなったとしても、数字上の可能性がある限り攻め続けるはずだ。

 そのことは2013年からチームメートになったロズベルグが一番分かっている。「ルイスはもっと強くなってくる。恐ろしいと感じるほどに。ここからは1戦1戦が真剣勝負になってくる」。23ポイントの差などないのも同然。一瞬でも隙を見せたらハミルトンは襲いかかってくる。
23ポイント差をつけられたハミルトンだが、ロズベルグ追撃を決して諦めないと決意している(メルセデス提供)
23ポイント差をつけられたハミルトンだが、ロズベルグ追撃を決して諦めないと決意している(メルセデス提供)
 日本GPでは2007年の富士スピードウェイを含めてハミルトンが過去3勝(07、14、15年)しているが、ロズベルグは昨年初めてポールポジションを奪ったものの未勝利。車両性能とドライバーの力量が試されるという難しい鈴鹿での一戦が、2人の争いを大きく左右するかもしれない。

 2年連続2位に甘んじている日本GPで壁を打ち破ることができるのか。初タイトルに挑むロズベルグに科せられた試練だ。