2017年F1開幕特集(1)
合同テストでトラブルもなくマシンの信頼性の高さが証明された17年のマシン(メルセデス提供)
合同テストでトラブルもなくマシンの信頼性の高さが証明された17年のマシン(メルセデス提供)
 F1開幕戦オーストラリアGP(26日決勝)が24日、メルボルンのアルバートパークサーキットで開幕する。直前の合同テストで話題の中心になったのはマクラーレンとコンビを組む復帰3年目のホンダだ。パワーユニットを原因とするマシンの不具合が重なり、逆襲を期すはずだったエースのフェルナンド・アロンソ(35)=スペイン=にとっても厳しい船出となりそう。チャンピオンの大本命はメルセデスのルイス・ハミルトン(32)=英国。2年ぶりの栄冠を目指す。

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敵陣営巧みに挑発 記録にもこだわる

2年ぶりの王者奪還へ期待が高まるハミルトン(メルセデス提供)
2年ぶりの王者奪還へ期待が高まるハミルトン(メルセデス提供)
 目の上のこぶがなくなり、のどのつかえも取れた。メルセデスのルイス・ハミルトンは今季の大本命ドライバーに返り咲き、まくしたてるように身の上を口にした。

 「まだいい風が吹いているとは言えないね。だから、誰が速いかなんて分からない。でも、早くバトルがしたい。待ち切れないんだ」。昨年末、心の戦友がユニホームを脱いだ。ゴーカート時代からライバルだったニコ・ロズベルグさんが初のチャンピオンに輝いた代わりに電撃引退をした。リベンジを果たせなくなったのが唯一の心残りだが、強敵が去ったことで2年ぶりの王者奪還の期待も自然と膨らむ。

 シーズンオフの合同テスト(スペイン)で勢力図を把握できた。今季は車両規則が改められ、車幅が180cmから200cmに。ダウンフォース(空気で地面に押さえ付ける力)が増えたことで、戦況に変化が出る可能性もあったが、メルセデス勢は大きなトラブルは一切なし。出場チーム最多の1096周をこなし、マシンの信頼性の高さを実感した。

 「心理ゲームが行われているのかどうかは分からない。テストは決して最速で走ることが目標じゃない。クルマを知ることが目的。過去にはわざと実力を隠すチームもいたが、それが自分たちの利益になるのかよく分からない」。能あるタカは爪を隠すもの。あえて自ら三味線を弾いていないと主張するなど、敵陣営を巧みに挑発する余裕ぶりだ。

 今年は記録にもこだわっていく。ポールポジションは歴代3位の61回。同2位は65回のアイルトン・セナで、最多記録の68回を誇るミハエル・シューマッハーまであと7回。十分に射程圏内だ。 

 「合同テストでは100%の力でマシンをプッシュすることができなかった。体の負荷はこれまでより厳しい。トップを取るにはもっと頑張らないとね」。開幕戦オーストラリアGPから桁違いの走りで他を突き放すつもり。ライバル不在のシーズンとなるかもしれない。