2017年F1モナコ特集
レースではアロンソ以上の苦戦が続いているバンドーン=第5戦スペインGP(マクラーレン提供)
レースではアロンソ以上の苦戦が続いているバンドーン=第5戦スペインGP(マクラーレン提供)
 伝統のモナコGPがいよいよ開幕する。コンストラクターズ(製造者)部門で最多勝は15回のマクラーレン。2015年にホンダと組んだ現行チームとなってからは、パワーユニット(PU)の不調から目立った成績は残してないが、前戦スペインGPでフェルナンド・アロンソ(35)=スペイン=が予選7番手、決勝でも今季初完走を果たし、復活の兆しが見え始めた。モナコでも昨年に続き、入賞はなるか。また、モナコ4連勝中のメルセデスなど見どころは満載だ。

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海岸沿いのコースを走るバトン=16年のモナコGP(マクラーレン提供)
海岸沿いのコースを走るバトン=16年のモナコGP(マクラーレン提供)
 1984年のモナコGPでアラン・プロストのドライブで初優勝したマクラーレン。前回ホンダエンジンを搭載した88年からフォードエンジンとなった93年までモナコを6連覇している。15年からホンダとタッグを組んだ現チームとなってからはPUの不調で厳しい戦いを強いられている。

 が、当地は験のいいサーキット。15年にはジェンソン・バトン(37)=英国=が8位に入り、復帰後のホンダに初入賞をもたらした。さらに16年にはアロンソが復帰後最高位タイの5位に入るとともに、バトンも9位とダブル入賞を果たした。

 さらに前戦スペインGPでは、アロンソが今シーズン初完走を果たすなど上り調子となってきた。ただし、まだまだPUのパワー不足は否めず表彰台は現実的には厳しい状況となっている。

 アロンソにとってもモナコGPは2度の優勝を果たしており、上り調子の今が今季初ポイント獲得のチャンスのはずだったが、今年は参戦をキャンセル。決勝日が同じ米インディ500への参戦を決めた。同レースは、モナコGP、仏ルマン24時間レースとともに世界三大レースのひとつとされ、全てに優勝することを「トリプルクラウン」と呼ぶ。

 アロンソの代役としては、昨年限りで第一線を退いたバトンが復帰する。バトンもブラウンGP所属当時の09年にモナコを制覇。ここ2年も入賞しているだけに期待はもてる。バトン自身も参戦の正式発表で「1戦だけF1に戻れるのをワクワクしているよ。09年に勝っているモナコというのもいいね」と、楽しみにしているようだ。

 フル参戦1年目のストフェル・バンドーン(25)=ベルギー=もまだ今季は完走2回と苦戦模様だが、昨年、アロンソの代役で出走したバーレーンGPではデビュー戦でいきなり入賞を果たす活躍を見せた。今年もチームの調子が上向きとなっているだけに初入賞が楽しみだ。

 ホンダのPUにとって2年連続でポイントを獲得しているモナコ。3年目の今年もここで入賞を果たして逆襲のスタートとしたい。

絶好調フェラーリ!!16年ぶり制覇のチャンス到来

選手権をリードするベッテル(フェラーリ提供)
選手権をリードするベッテル(フェラーリ提供)
 今シーズン、好調なフェラーリ。セバスチャン・ベッテル(29)=ドイツ=が開幕戦オーストラリアGPで2番手から逆転して優勝したのを皮切りに第3戦バーレーンGPでは早くも2勝目を挙げた。ほかの3戦も2位でフィニッシュして安定した成績を残し、ハミルトンに6ポイントの差をつけてドライバーズランキング首位に立っている。

 そのフェラーリが最後にモナコGPで優勝したのは2001年のミハエル・シューマッハー。以後、15年間勝利から遠ざかっている。

 ようやくメルセデスと互角に戦えるようになった今年は16年越しのモナコGP制覇へのチャンス到来だ。抜き所が少ないだけに、予選でできるだけ上位を占めたいところ。ベッテルもキミ・ライコネン(37)=フィンランド=もモナコGP優勝は1回ずつ。2回目の勝利はなるか。

一発の速さみせて当地5連勝目指すメルセデス

前戦スペインGPで優勝したハミルトン(メルセデス提供)
前戦スペインGPで優勝したハミルトン(メルセデス提供)
 近年、モナコGPで強さを発揮しているのがメルセデス。ニコ・ロズベルグが13年から3連覇。昨年は、ルイス・ハミルトンが、雨のためセーフティーカー先導でスタートした戦いを逆転で制して、2回目のモナコGP優勝を達成した。PPにつけたレッドブルのダニエル・リカルドのタイヤ交換を見て、レインタイヤのまま引っ張りトップに浮上。チーム戦略の勝利だった。

 今年は、昨年までの独走からフェラーリと、熾烈(しれつ)なランキング争いを展開している。5戦を終えて、メルセデスがハミルトンの2勝とバルテリ・ボッタスの1勝で計3勝を挙げて、コンストラクターズランキングで首位に立っている。

 そのメルセデスは今年、4戦でPPを獲得。一発の速さがあるだけに、抜き所の少ないモナコで予選上位につければ5年連続Vも見えてくる。

モンテカルロの市街地疾走!最高速はトンネル出口

モナコGPコース図
モナコGPコース図
 モナコ公国で行われるモナコGPは公道を使用する。1周は3・337kmで19のコーナーを持ち、現在のF1の中では最も1周の距離が短い。また、平均速度も時速約160kmと遅い部類に入る。コースレコードは16年にレッドブルのダニエル・リカルドが記録した1分13秒622となっている。

 コース幅はとても狭く、ほとんどのコーナーは進行方向が見えないブラインドコーナーとなっていて、ミスを誘発しやすい。また、コース特性として、中低速コーナーが多く、直線が少ない超低速サーキット。パワーよりもマシンの全体的なバランスが求められる。

 コース脇にはカジノやホテルがあり、さらにヨットハーバーなどがある海岸沿いも通過する。特徴的なのはコースにトンネル(9)があること。ここの出口で最速タイムが記録される。また、グランカジノ前を通過するカジノスクエア(4)、タバコ屋があることが名前の由来となっているタバココーナー(12)、レストランが由来となっているラスカス(18)など名物コーナーがある(カッコ内の数字はコーナー番号=コース図参照)。
名物のトンネルを駆け抜けるアロンソ=16年モナコGP(マクラーレン提供)
名物のトンネルを駆け抜けるアロンソ=16年モナコGP(マクラーレン提供)