トラブル続きの週末〜厳しい見方も必要
第5戦ヨーロッパGP編
マシンを降りれば笑みを絶やさない琢磨(カメラ=松本浩明)
マシンを降りれば笑みを絶やさない琢磨(カメラ=松本浩明)
 「とにかく、完走したかったから。ピット・ボードで“入って来い”っていうのを見た時にはショックでした。えっ? と思って。レースは続行できると思ったんだけど、ピット・レーンを走っていったらみんなが“ガレージに入って”って誘導するから。『あぁ、駄目なんだ』と思って」

 スタート直後にはストレート速度が伸びないトラブルを抱え、重いハンドルと聞こえない無線に悩みながら、それでも完走を目指して戦ったレース。最後は油圧が低下し、マシンを降りるしかなかった。トラブル続きの厳しい週末だった。「開幕3戦で完走できたのがうそみたい。難しいレースだと分かってても、僕らは完走しないと話にならないから」

 自分のためではなく、チームにとって、今は完走することが何より大切。チームの仕事に対して、琢磨はあえて「厳しい見方をしなくちゃいけない」と言った。

 シーズンが始まる前から「チームは、ハネムーンのような時期を過ぎるときっとつらくなる」と覚悟していた。それが、ヨーロッパ・ラウンドに入った今の時期。状況を踏まえれば無理もないところと、もう少し対処できるところ。自分にできること、チームの力になれること……。

 現実を直視しながら、それでも、事実と自分の感情は混同しない。マシンが車両保管に入る土曜の夜、チームのみんなとバーベキューを楽しんだ話をする時には「すっごくおいしかったです」と、ぱっと表情が明るくなった。(今宮雅子)