今季最高の10位〜「本当に楽しかった」
F1第18戦ブラジルGP編
レースを終え、スタッフと抱き合う琢磨(カメラ=松本浩明)
レースを終え、スタッフと抱き合う琢磨(カメラ=松本浩明)
 トップの対決とは別に、インテルラゴスの現場では誰もが佐藤琢磨の速さに目を丸くし、感嘆したレースだった。スタート直後、一気にクルサードとアルバースを抜き去った4コーナー。トロロッソの2台をかわすため予定より早めたピット・イン。ベスト・タイムを更新し続けたレース中盤。ただ見事なレースを、みんな“いったいどこまで速くなるの?”と笑顔で見守った。「本当に、楽しかった! バンピーな路面だし、少しでもラインを外れると滑りやすいし、当たり前なんだけど(笑)絶対にはみ出さないようにしながら、とにかく攻めて攻めて走ったレースでした」

 1分13秒401。ベストを記録した47周目は、シューマッハーよりアロンソよりマッサより、誰よりも速いペースで走っていた。「限界ぎりぎりで、でも、そうやって攻めてる感じがものすごく心地良かった。乗れてる。だから、攻めてるからこそミスをしない。その気持ちを大切に走ろうと思ってました。エンジンも思い切り頑張ってくれたし、背中で金切り声を上げてるんです。だから最大限にいたわるため、毎ラップ、インフィールドと外周で使い方を変えて走りました」

 開幕戦、4周遅れの完走から始まった世界最小F1チームの挑戦を、最終戦、琢磨は堂々10位完走、9位のベスト・タイムで締めくくった。その秘訣(ひけつ)は――。「とにかく、自分たちが手にしたものを使い切る。この週末、僕がずっとずっと言い続けたのはタイヤの管理です。ドライビングだけじゃなくて、タイヤ・ウオーマーの使い方も含めてすべて、チームとしてどういうふうにタイヤを準備していくか。ブリヂストンは本当に素晴らしいタイヤを用意してくれたし、僕らのチームも本当に上手にタイヤを使えるようになりました」

 ゴールの後は「もう大騒ぎだし、誰もが胴上げだし」と、琢磨は最高の笑顔を見せた。鈴鹿に続いて百点満点、チームの仕事は2連勝にも値する。そして――レースに焦点を当てて週末を組み立てた琢磨のリーダーシップには、パドックの誰もが百点満点+アルファの称賛を送った。(今宮雅子)