見た目じゃ分かりづらくても…乗れば分かる大進化!!
見た目は先代モデルと変わりない新型N−BOXだが、プラットフォームを一新するなど中身は大進化(田村尚之撮影)
見た目は先代モデルと変わりない新型N−BOXだが、プラットフォームを一新するなど中身は大進化(田村尚之撮影)
 9月に初の全面改良を受けたホンダの軽自動車「N−BOX」が、1日に発表された先進安全技術の評価指標「予防安全性能アセスメント」で軽乗用車の最高評価を獲得した。新型は車体の基本骨格となるプラットフォームまで一新。徹底した改良を施し、発売1カ月で5万2000台を超える注文が入る好スタートを切った。乗り心地のほどは−。

軽最高評価の安全技術

前後に570ミリも動く助手席。使い勝手も広がる(田村尚之撮影)
前後に570ミリも動く助手席。使い勝手も広がる(田村尚之撮影)
 ホンダのやる気が伝わってくる。N−BOXはモデル末期の旧型が8月の車種別販売で4位につけ、軽自動車の首位を走る異例の人気ぶり。それでも2代目は土台から大変身を遂げた。

 軽自動車は全面改良といっても、プラットフォームについては改良しながら2、3世代後まで流用していくのが当たり前。そんな中でN−BOXはたった1世代で全てを作り直した。同社の開発者は「軽量化をするには一新する必要があった。シリーズとして使うので」と説明する。

 自動車業界の通例を打ち破る開発手法は、一にも二にも激戦区の軽自動車市場を勝ち抜くため。今やホンダの屋台骨を支える計5車種のNシリーズは、基本性能をさらに押し上げるため一から作り直す判断を下した。

約150キロの軽量化に成功

 新型の重量はデータ上は旧型から80キロ減だが、予防安全性能アセスメントで軽乗用車の最高評価を受けた先進の安全装備「ホンダセンシング」が全車に標準装備されたことで70キロ分が上乗せされている。車体単体だけであれば、実際には約150キロもの軽量化に成功している。

 強度の高い鉄板を多用し、溶接箇所にもこだわりボディー剛性を保ちながら、ハンドルなど操舵(そうだ)系や足回りに中空タイプの部品を採用するなど地道な改良を進めた。

 そんな努力は走りだせばすぐに分かる。軽やかな印象になった。新しいエンジンや、変速機に新機構を採用して加速も滑らか。燃費は横浜市内を1時間ほど走って、ターボが15キロ前後、自然吸気は20キロ前後だった。

 乗り心地も良くなった。N−BOXが属するスーパーハイトワゴンは全高が高いため、ボディーが左右に傾くのを防ぐため足回りを硬めに設定する傾向がある。その結果、どうしても跳ねるような感じになるが、新型はサスペンションに左右の動きを安定させる効果があるスタビライザーを装着。それで傾きを抑えることができ、旧型よりも2割弱ほど軟らかい設定になった。

室内もさらにひろびろ

 広々としていた室内はさらに広くなった。旧型に比べて室内長で20ミリ、前後シート間距離も25ミリ拡大。前後に570ミリも動く助手席を採用し、使い方の幅も広がった。静粛性も防音材の使用面積を広げて向上したが、重量増を避けるため材質の変更や効果的な場所に配置する工夫を凝らした。

 見た目は旧型との違いをあまり感じられないが、中身はライバルメーカーが恐れをなす進化ぶり。軽自動車の王者は他の追従を許さない。 (田村尚之)

 ★価格 138万5640円〜174万9600円の5モデルで、空力部品などを備えたカスタムが169万8840円〜194万9400円。4WDは13万680円高。

 ▼予防安全性能アセスメント 国交省と自動車事故対策機構が毎年実施する先進安全技術の評価指標。N−BOXは軽乗用車で最高の79点満点中76.6点を獲得。普通乗用車の最高は日産「ノート e−POWER」で79点満点だった。