優しく走れば雪道でも鼻歌交じり
マイナーチェンジしたばかりの高級セダン「レジェンド」の横でうれしそうな筆者(ホンダ提供)
マイナーチェンジしたばかりの高級セダン「レジェンド」の横でうれしそうな筆者(ホンダ提供)
 ホンダの4WD車を一気乗り! 同社が寒冷地テストを行う北海道の「鷹栖(たかす)プルービンググラウンド」の一面雪に覆われたコースで、軽自動車の「N−BOX」から最上級セダンの「レジェンド」まで乗り比べ、その安定した走行性能に驚かされた。どんなコンディションでも気兼ねなく運転できることを目的に開発された同社の4WDは、狙い通りの走りを見せた。 (田村尚之)

+20万円前後で安心を

今年中に発売されるCR−Vを一足早く試乗し、作り込みの良さにはまった(ホンダ提供)
今年中に発売されるCR−Vを一足早く試乗し、作り込みの良さにはまった(ホンダ提供)
 雪上運転なんて何年ぶりだろう。東京で1月末に大雪が降ったときも、わが愛車はガレージでひっそりたたずむだけ。一般的なドライバーの記者は、少し緊張してクルマに乗り込んだ。

 でも、そんな心配は無用だった。雪道用のスタッドレスタイヤの性能向上もあって、開発者が「あらゆる環境で気軽に運転できるように開発した」と力説するホンダの4WDはストレスなく雪道を突き進む。その開発思想は軽自動車も最上級セダンも一緒。加減速の縦方向に加わる力はもちろん、コーナーを曲がる時にかかる横方向の力にもクルマは踏ん張った。

 もちろん、急加速、急減速、急ハンドルはご法度。女性を扱うように優しく接することは欠かせないが、それさえ守れば雪道だって鼻歌交じりで走れた(同行した自動車専門誌の先生方は、まるでスウェーデンラリーのような走りをしていましたが…)。

 ホンダの4WDシステムは3つ。N−BOXや小型車フィットに搭載する、歯車で動力を振り分ける機械式の「ビスカップリング4WD式」、スポーツタイプ多目的車(SUV)のヴェゼルやCR−Vが搭載する機械式に油圧を組み合わせて積極的に制御する「リアルタイムAWD」、そしてレジェンドやNSXが搭載する2つのモーターで後輪をそれぞれ駆動する「スポーツ・ハイブリッドSH AWD」だ。

 クルマの値段が上がれば、それだけしなやかに走るが、滑りやすい路面を安全に走るという志はみな同じ。それぞれエンジン出力やブレーキまで使って車体を安定させる制御システムなどと組み合い、クルマが自ら安定してくれる。

 雪道はわだちなどで路面は凸凹し、踏み締められて硬い。サスペンションがしっかり働いてくれないと車内は大揺れ状態となるが、ホンダのラインアップは踏ん張った。N−BOXやフリードなどミニバン系の車体はやや不利となるが、高級車のレジェンドやSUVはしなやかに走り、ボディー剛性が高いフィットは軽快だった。

 個人的なお気に入りは、今年中に発売予定のCR−V。試乗会には左ハンドルのプロトタイプが持ち込まれ、その安定感、ボディー剛性の高さ、しなやかな足回りとも気に入った。今から価格がものすごく気になる。

 3月に入り、東京など都市部が大雪に見舞われることは少ないだろうが、4WDなら土砂降りの雨でも車両を安定させ、緊張感を和らげてくれるだろう。前輪駆動に比べれば余分に20万円前後の支出となるが、安心、安全を買うと思えば高くはないはずだ。
軽自動車と侮るなかれ、N−BOXも雪道を力強く走る(ホンダ提供)
軽自動車と侮るなかれ、N−BOXも雪道を力強く走る(ホンダ提供)
ミニバンのフリードも安定した走りを見せた(ホンダ提供)
ミニバンのフリードも安定した走りを見せた(ホンダ提供)